(5)老朽化における取り組み

@直轄国道における橋梁点検内容

〜損傷の早期発見に向けた取り組み〜

同じ橋に対して次の点検を組み合わせて実施し、損傷の早期発見に努めていくとともに、「見過ごし」がないよう技術力の向上に努めていきます。

@日常点検・保守
日々の道路巡回(パトロールカー内からの目視点検)により、伸縮装置部からの異音、路面の段差、部材の破断などの異常がないか把握し、適宜の措置を実施します。

A定期点検
供用後2年以内に初回点検を、その後は5年以内に、全部材に近接目視を基本とした点検を実施します。

B特定点検
●第三者被害予防措置点検(第三者点検)
コンクリート部材の一部が落下して第三者に与える被害を予防することを目的に、2〜3年毎に、打音検査、浮いているコンクリートの叩き落としを実施します。
●塩害に関する特定点検(塩害点検)
塩害地域の橋梁を対象に、コンクリート中の塩化物イオン量の調査等を10年毎に実施します。

C異常時点検
地震、台風、集中豪雨、豪雪等の災害時や、橋梁に予期していなかった異常が発見された場合などに、各々の事象に特化した点検を実施します。

A地方公共団体への支援活動の取り組み

  • 橋梁点検等講習会の開催を通じ、橋梁保全(長寿命化)の取り組みが進むよう、地方公共団体職員の技術力の向上に努めます。
  • 現場点検実習を核とした橋梁保全実践講座を、地方公共団体管理の未点検橋梁等で実施します。
  • その他、地方公共団体への橋梁点検車の貸し付け、橋梁保全技術の情報提供等を実施します。

【点検講習会の開催】

A地方公共団体への技術支援取り組み事例-1

橋梁技術現場支援セミナー

【目的】
橋梁の維持管理に必要な広範な知識の習得を図ることを目的とし、橋梁点検から診断、調査、設計手法、補修・補強工法までの講義と現地実習を行います。
中国地方整備局の職員を対象に平成16年度から開催していたセミナーの対象を、平成19年度より地方公共団体職員に拡げ、年1回実施。
平成25年度迄に延べ343名が参加。(内、地方公共団体職員数:203名)

【平成25年度の実施状況】
実施期間:平成25年9月17日〜20日
実施場所:中国技術事務所 研修所
受講者:中国地方整備局8名
地方公共団体職員29名(各県9、政令市2、市町村18 )

A地方公共団体への技術支援取り組み事例-2

橋梁点検講習会

【目的】
各県等が定める点検要領に基づく点検
実習を行うとともに、点検と橋梁保全の基礎技術の習得を図ることを目的として開催しています。なお、各県又は政令市との共催として取り組んでいるものです。
地方公共団体職員を対象に各県との共催により平成19年度から各県単位で年1回実施。平成25年度迄に延べ1,138名が参加。

【平成25年度の実施状況】

  • 鳥取県橋梁点検講習会
    実施日:平成25年10月30日〜31日
    実施場所:鳥取県倉吉市 鳥取県建設技術センター/受講者:12名
  • 島根県橋梁点検講習会
    実施日:平成25年10月10日〜11日
    実施場所:島根県出雲市 出雲合同庁舎/受講者:12名
  • 岡山県橋梁点検講習会(岡山県橋梁保全(上級)研修)
    実施日:平成25年10月10日〜11日
    実施場所:岡山県岡山市 岡山県建設技術センター/受講者:32名
  • 広島市橋梁点検講習会
    実施日:平成25年11月21日
    実施場所:広島市東区 広島市研修センター/受講者:33名
  • 山口県は県主催の研修に講師派遣(平成25年11月20日)

A地方公共団体への技術支援取り組み事例-3

橋梁保全実践講座の開催(H23〜)

【目的】
地方公共団体管理の道路橋において、長寿命化の取り組みが進展するよう、橋梁点検現場実習を核とした実践的な講座を実施し、橋梁点検技術の習得と橋梁保全に関する意識の高揚を図ることを目的として実施しています。平成25年度迄に10市町22橋梁で実習等を実施し、160名の参加がありました。

【技術支援実施概要】

  • 橋梁点検現場実習
  • 橋梁点検の着眼点等講義 など

B地方公共団体への支援体制

老朽化対策等に係る地方公共団体からの支援相談窓口の設置(H25.7.16)