通達 「経営業務管理責任者の大臣認定要件の明確化について」
H19.3.30 国総建発第395号
国土交通省総合政策局建設業課長から 各地方整備局建政部長等あて
建設業法(昭和二十四年法律第百号。以下「法」という。)第七条第一号ロの規定による同号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者の国土交通大臣による認定については、「建設業法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件」(昭和四十七年三月八日建設省告示第三百五十一号。以下単に「告示」という。)により行ってきたところである。
今般、企業経営の最近の状況等に対応し、平成十九年三月三十日付で昭和四十七年建設省告示第三百五十一号(建設業法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件)の一部を改正する件が公布され、同日から施行されることとなった。今回の改正は、執行役員等として五年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験を有する者を、法第七条第一号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者として認める等するものである。
これを受けて、今般、告示による国土交通大臣認定について、下記のとおり取扱方針を定め、運用に当たっての基準を明確化するとともに、「建設業許可事務ガイドラインについて」(平成十三年四月三日国総建第九十七号)及び「国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について」(平成十三年四月三日国総建第九十九号)を改正し執行役員等の取扱い等について新たに定めたので、貴職におかれては、これらに留意の上事務執行に遺漏なきよう取り扱われたい。
記
一
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告示第一号イについて
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(1)
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経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験とは、取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験をいう。また、当該事業部門は、許可を受けようとする建設業に関する事業部門であることを要する。
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(2)
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許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として五年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験(以下「執行役員等としての経験」という。)については、許可を受けようとする建設業に関する執行役員等としての経験の期間と、許可を受けようとする建設業又はそれ以外の建設業における経営業務の管理責任者としての経験の期間とが通算五年以上である場合も、本号イに該当するものとする。
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二
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告示第一号ロについて
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(1)
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経営業務を補佐した経験とは、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務に、法人の場合は役員に次ぐ職制上の地位にある者、個人の場合は当該個人に次ぐ職制上の地位にある者として、従事した経験をいう。
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(2)
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許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって七年以上経営業務を補佐した経験(以下「補佐経験」という。)については、許可を受けようとする建設業に関する執行役員等としての経験又は補佐経験の期間と、許可を受けようとする建設業又はそれ以外の建設業における経営業務の管理責任者としての経験の期間とが通算七年以上である場合も、本号ロに該当するものとする。
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(3)
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法人、個人又はその両方において七年以上の補佐経験を有する者については、許可を受けようとするのが法人であるか個人であるかを問わず、本号ロに該当するものとする。
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三
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告示第二号について
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許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する七年以上の経営業務の管理責任者としての経験については、単一の業種区分において七年以上の経験を有することを要するものではなく、複数の業種区分にわたるものであってもよいものとする。また、許可を受けようとする建設業とそれ以外の建設業に関して通算七年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する場合も、本号に該当するものとする。
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四
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確認する書類
告示第一号に掲げる職制上の地位を判断するに当たっては、次の(1)に掲げる書類において確認するものとする。また、上記一に該当するか否かの判断に当たっては、規則別記様式第七号等に加え、次の(2)及び(3)に掲げる書類において、被認定者が一に掲げる条件に該当することが明らかになっていることを確認するものとする。また、上記一、二又は三に掲げる各経験に係る期間を判断するに当たっては、次の(4)に掲げる書類において確認するものとする。
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(1)
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経営業務の管理責任者に準ずる地位にあることを確認するための書類
組織図その他これに準ずる書類
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(2)
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業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業に関する事業部門であることを確認するための書類
業務分掌規程その他これに準ずる書類
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(3)
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取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念する者であることを確認するための書類
定款、執行役員規程、執行役員業務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規則、取締役会の議事録その他これらに準ずる書類
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(4)
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一、二又は三に掲げる各経験の期間を確認するための書類
一にあっては過去五年間、二及び三にあっては過去七年間における請負契約の締結その他の法人の経営業務に関する決裁書その他これに準ずる書類
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