【1】山口県の景観の取組み■■■

山口県都市計画課長 松原賢一

風が強く時折雪が舞う大変寒い日でしたが、2月12日に、旧県会議事堂議場で、山口県景観フォーラム(第1回美しいやまぐちづくり山口大会)を開催しました。

景観に対する熱い思いの約100人が集い、山口大学の内田教授に、『土地の声を聴き、なりたがっているかたちを創る』というテーマで御講演いただき、続いて地域における景観形成活動の発表会にパネルディスカッションと盛り沢山のメニューで、活発な意見交換がなされ大変有意義なフォーラムとなりました。

山口県では、昨年3月に身近にある良好な景観を県民共有のかけがえのない財産として、まもり、そだて、活用していくために、「山口県景観ビジョン」を策定・公表し、このビジョンに基づき、「心豊かな山口県、暮らしやすい山口県、訪れたくなる山口県」を目指して、県民意識の醸成や市町村支援などに取り組んでいます。

今年度から3ヶ年で「山口県景観推進事業」として、地域景観ワークショップの開催、景観アドバイザー・景観サポーター制度の創設、公共事業景観形成ガイドラインの策定の取組みなど、様々な施策を展開しているところであり、この2月県議会には景観ビジョンの実効性を確保する観点から、新規制定条例として景観基本条例を上程しているところです。
これらの施策等については添付資料をご覧下さい。
【編集担当注釈:Wordファイル『file0483.doc』】

また、この景観フォーラム当日は、夏から半年間6回にわたる講習会を受講頂いた、21名の景観アドバイザー候補者に、講習の修了証書を兼ねた「景観アドバイザー登録証」を交付し、併せてフォーラム参加者には、県が募集している景観サポーターとしての登録をお願いしています。

並行して会場隣の議員控室では、「NPOまちのよそおいネットワーク」や「山口まちづくりセンター」の景観形成活動状況や、長門市仙崎や周南市鹿野などで県がモデル的に実施している「地域景観形ワークショップ」の風景などのパネル展示を2週間行ないました。

こちらも多くのかたにご覧頂き、活動に賛同頂ける方に、景観サポーターとして登録してもらっております。

次に、景観法に基づく景観行政の推進についての山口県の基本的な考え方を紹介しますと、

  1. 良好な景観の形成は、住民の生活に密接に関係することから、最も住民に近い自治体である市町村が中心的役割を担うべきであること
  2. すでに自主条例を制定し景観行政を推進している市町村があること

から、景観行政を推進する主体は、市町村であると言えます。

このため、県内全市町村に法で言うところの景観行政団体になってもらって、市町村が主体となって、景観計画を策定し景観行政を展開することが望ましく、県は市町村支援型に徹することとしております。

この考えに沿って、「山口県景観推進事業」で、市町村が景観計画を策定する際のガイドラインの策定や、昨年10月末に地域文化と景観と題して萩市で開催された「2005日仏景観会議・萩」の開催費の助成などを行なっています。

現在、景観行政団体となっている市町村は、まだ4市ですが、平成19年度までに全市が、平成20年代初めまでには全市町村が景観行政団体となって、県全域の津々浦々まで、良好で快適な「美しいやまぐちづくり」が展開されればいいなと考えているところです。

県としての取組みが遅れていました山口県ですが、今後は一周遅れのトップランナーとして、「美しいやまぐちづくり」に邁進していくつもりです。読者の皆さんのご支援をお願いします。

【山口県都市計画課長 松原賢一】
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