【1】平成18年度にあたってのごあいさつ(二つの視点から)■■■

中国地方整備局 
副局長 平岡 孝夫

平成18年度、新年度が始まりました。
新社会人・新入学生など大きな希望を抱いた若者たちが社会や学校へとスタートするときです。中国地方整備局も新たな決意を持って平成18年度のスタートを切りました。

平成18年度は中国地方の地域づくり・まちづくりが新たな展開を迎える
ときになるのではないかと感じています。
ここでは二つの視点を紹介したいと思います。

ひとつは、大きく進んだ市町村合併の成果の発現です。
3月の合併をもって平成の大合併も一区切りを迎えました。
中国地方は全国でも最も合併が進んだ地域です。平成15年には318あった
市町村が、現在は114市町村とほぼ三分の一になりました。
 
市町村合併は、行財政面からの自治体運営の効率化という観点がだいぶ
強調されてきました。厳しい財政状況のもと、国、地方を問わず行政の
効率化を進めることは重要な課題です。

しかしながら、市町村合併にはもうひとつの重要な視点があります。
住民に最も近い基礎的自治体である市町村が、人口減少、少子化、高齢化
等が一層進む中で、合併によりしっかりとした自治体運営の基盤を確保
した上で、福祉、教育、まちづくりなどさまざまな課題に、より多様な
資源と知恵を使って取り組むことができるようになるということです。
 
中国地方でも、各自治体で合併後のまちづくりについて、いろいろな
意欲的、先進的な取組みがなされています。
他の自治体の参考になるすばらしい事例もあります。
いずれ、このメールマガジンにおいて紹介していただければと思います。
平成18年度は、合併後のまちづくり・地域づくりが本格的にスタートする
ときだと感じています。

もうひとつは、新しい国土計画=「国土形成計画」の策定が本格化する
ことです。
従来の開発基調の計画から、成熟社会に相応しい国土の質的向上に主眼を
置いた計画に転換するとともに、国と地方の協働によるビジョン作りを
進めることとしています。

国土形成計画は「全国計画」と地方ブロックごとの計画(=「広域地方
計画」)の二層の計画となります。
このうち広域地方計画はまさに圏域のビジョンを具体的に描くものです。
それぞれの地域がどうありたいのか、そして圏域(=広域地方計画区域)
としてどのような目標を共有するのか等について、地域での議論を積み
重ね、しっかりとしたビジョンを描くことが大切です。

現在は圏域の設定について議論が進められており、今年度前半には圏域
が定まる予定です。
平成18年度は地域のビジョン作りがスタートする時になると思います。
 
このような地域づくり・まちづくりの大きな進展が見込まれる平成18年
度ですが、中国地方整備局におきましても、引き続き国土と国民生活の
安全と安心を守りつつ、積極的に地域の活性化に取り組みます。
そして、それぞれの立場で取り組まれている「まちづくり・地域づくり」
を多様なメニューで支援してまいりたいと思っています。

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