【4】中国地方での第一歩

国営備北丘陵公園は広島県庄原市に位置する、計画面積約340haの都市公園です。現在約178haを開園し、近年は年間40万人を超える方々にご利用いただいています。中国山地のほぼ中央であり、中国自動車道が近くを通る中国5県のいずれからもアクセスしやすい好位置にあります。
 
当公園は「ふるさと・遊び」をテーマに周辺の自然環境との調和、中国地方の歴史や伝統文化の継承を目標の一つとして公園づくりに取り組んでいます。広々とした芝生広場や国兼池周辺の湖畔林では季節の花畑の観賞や散策、スポーツを楽しむことができ、また里山の雰囲気を味わいながら、農家でわら細工等を体験することもできます。
公園にいらした方が公園を楽しみながらこの地域のことを知っていただき、また訪れたくなるような公園を目指しています。

この国営備北丘陵公園の整備を進めている国営備北丘陵公園事務所に今年4月より赴任し、2ヶ月が過ぎました。これまでの生活圏は関東近県に限られており、中国地方を生活拠点するのは初めてとなります。当事務所に赴任した4月上旬は東京ではちょうどソメイヨシノが散る頃でした。
中国地方はさらに早く桜前線は通過していることだろうと、ゆっくりと花見ができなかったことを残念に思いながら新幹線に乗ってきたところ、庄原市ではまだつぼみをつけた桜の木に迎えてもらいました。庄原市は内陸に位置し、瀬戸内海沿いの地域とは気候が異なるとのことです。
聞いてみれば当たり前のことですが、これまで中国地方、広島県と漠然と一つのイメージでとらえていたのですが、初めて庄原市という地名を実感を持って認識することとなりました。
 
これまで私の中の中国地方の地図は大まかな各県の形、県庁の所在地等の都市名、全国的に有名な観光地などがモノクロで書き込まれているだけでした。4月からの2ヶ月でそれに少し書き込みが増え、そして色づけが始まりました。地名だけでなく、気候や風土、歩いてみる風景、その地域での生活、、、 まだまだ空白の部分ばかりですが、これからどのように埋めていくかが楽しみです。
 
大分馴染んできたつもりではありますが、いまだ職場・生活環境全ての面において慣れない点、驚かされる点も多く、日々新鮮な気持ちで迎えています。色々な場所に出かけ、様々なことに積極的に取り組み、幅広い体験をしてこの地域、そして中国地方について勉強(というと固くなりますが)していきたいと思います。そして、それを公園づくりに活かしてまいります。

最後になりましたが、皆様のご来園をお待ちしております。

【国土交通省国営備北丘陵公園事務所 調査設計課長 井上綾子】
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