******************************************************************
中国地方まち・すまいづくりメールマガジン
【別冊 都市・地域特集 第1号「倉吉」:平成19年7月26日】

◇◇中国地方整備局建政部◇◇

このメールマガジンは、中国地方における都市・住宅行政に関わる情報で
関係の方々にお知らせしたいものを提供することを目的として、お世話に
なっております地方公共団体の皆様にお送りしております。
******************************************************************

【別冊 都市・地域特集について】

特色あるまち・すまいづくりに熱心に取り組んでおられる個別の都市・
地域に着目した特集を、本メールマガジンの別冊として不定期でお届け
していきたいと思います。
第1号は今年度の「まち交大賞」(プロセス賞)を受賞した「倉吉」特集
です。
ご高覧下さい。(編集長・都市調整官 藤岡)

まち交大賞」についてはこちら
 http://www.machikou-net.org/
 (ページ中段の「まち交大賞全国大会」をクリックして下さい。)

■■目次■■


◇◇特集 地域資源を活かしたまちづくり 倉吉市◇◇

【1】市長巻頭言 〜「遙かなまち倉吉の創造」〜
   倉吉市長 長谷川 稔 

【2】まちづくりを支える様々な団体等の取組

 [1] 町屋カフェ「和気」 (鳥取短期大学と連携したにぎわいまちづくり)
    
 [2] レトロミックス (空き店舗を活用したチャレンジショップ)
    
 [3] ヨーロッパアンティーク家具「オークランド」 (歴史的な建造物を利用した商業展開)
    
 [4] 夢街道 八橋往来 (歴史的な街道再生に向けた官民連携した取組)
    
 [5] あきない中心倉 (地域の商店主等による自主的まちづくり)
    
 [6] 町屋 「清水庵」 (地域資源を活かしたまちづくり)
    
 [7] 倉吉の歩行ネットワーク (アーケードの撤去と新しいまちづくり)
    
******************************************************************


【1】市長巻頭言 〜「遙かなまち倉吉の創造」〜■■■

【倉吉市長 長谷川 稔】

【はじめに】
倉吉市は鳥取県中央部に位置する人口5万2千人ほどの地方都市です。
霊峰大山の東山麓に広がる久米ヶ原の火山灰の肥沃な畑作地帯での極実スイカ、プリンスメロンなど、農業が盛んな土地柄であります。
本市の将来都市像として『あふれる笑顔、豊かな緑、交流とふれあいのまち倉吉』の実現に向けて、諸施策を計画的に勧めています。
その中で、安心して暮らせる自然環境の下、多様な地域資源を基盤にした産業を確立し、地区の特性を活かしたまちの再生と活性化を推進しています。「遥かなまち倉吉の創造」は、その一つです。

倉吉出身の漫画家、谷口次郎のコミックに「遙かな町倉吉」があります。
主人公の東京在住の48才の中年男性が、昭和30年代の倉吉(打吹(うつぶき)地区)の主人公の中学生時代にタイムスリップし、自身の過去を考えるというものです。この漫画に描かれている昭和30年代の倉吉の風景(明治・大正・昭和の建物、通り等)は、今なお残っていて、倉吉市では、「この風景(修景)を活かしたまちづくりをおこなっていこう!」ということで、「遙かなまち倉吉の創造」をキャッチフレーズにまちづくりを進めており、まちづくり交付金、街路事業、街なみ環境等、国土交通省事業を活用し、中心市街地や駅周辺の整備を進めているところです。

【まちづくりの概要】
市内のまちづくりの中で、第25回まち交大賞の「プロセス賞」を受賞した『倉吉打吹地区』のまちづくりについてふれさせて頂きます。

同地区内では、昭和58年ごろから土蔵の修理等が官民協働で始まりました。
その後、その一部が重要伝統的建造物群保存地区に選定されたのをきっかけに保存地区を中心とした町並み保存の取り組みを行っています。
そういった中、中心市街地の活性化を目的に、倉吉打吹地区を中心に地区内外の商工関係者、倉吉市等により、平成9年には株式会社赤瓦が設立されました。最初は、1号〜3号館の3店舗でスタートした赤瓦も13号館を数えるようになりました。モータリゼーションの進展に取り残された、いわゆるシャッター通りで新たに商売をはじめる方や、伝統的建造物群保存地区の
外であるにもかかわらず、自己資金のみで文化財保護に匹敵するような大規模な建物改修を行う方も現れるようになりました。このように、住民、行政が一体となった様々な取り組みにより、人々が一時期見失いかけていたまちへの自信や活気が、徐々に戻りつつあることをうれしく思います。

倉吉打吹地区の今後の取り組みとして、伝統的建造物群保存地区の西側につづく、本町通り西側300mの老朽化したアーケードの撤去を平成19年に実施し、上下水道・道路側溝整備、自然色舗装等とあわせて、建物の修景に対する補助を行いたいと考えております。

【おわりに】
倉吉市は、豊富な自然と昔ながらの街並み、そして若者が活躍できる場のある活気溢れる都市です。市でも若者定住化を重点課題と掲げ、若者の新規住宅建築に対する固定資産税の減免や企業誘致、子育て支援などを行っており、少しずつではありますが着実に成果を上げております。
「遥かなまち倉吉」のまちづくりのため、市民とともに職員一同、今後も取り組んでいく所存であります。

「倉吉打吹地区」のまちづくりの概要はこちら
 http://www.machikou-net.org/public/machikou_taisyou/h18/H18receiving_prize_district.htm
(ページ下段の○プロセス賞「鳥取県倉吉市 倉吉打吹地区」の添付資料をご覧下さい。)
******************************************************************


【2】まちづくりを支える様々な団体の取組■■■


「遥かなまち倉吉」には、まちづくりを支えている様々な人々や団体があります。
その中から、中心となり活躍されている取組を紹介します。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [1] 町屋カフェ「和気」 (鳥取短期大学と連携したにぎわいまちづくり)◆◆◆

【鳥取短期大学 町屋カフェ「和気」代表者 学生 石脇 彩敬】

町屋カフェ「和気」は、中心市街地の活性化を目的として平成9年に設立された株式会社赤瓦の姉妹店、赤瓦11号館(観光案内所内)にあり、平成17年12月に鳥取短期大学と地域、行政が一体となってオープンさせた短大生運営の軽食喫茶の店です。私たちは、学生として未熟ながらも、料理の開発や経営のノウハウを学んでいます。

町屋カフェ「和気」は、当初、次の2つのテーマでオープンしました。
@地産地消の店作りからのまちづくり
A若者の視点から若者の集まるまちづくり
この2つのテーマで、最初は食物栄養の学生を中心にメニューを作っていきました。季節限定で特産品の梨のケーキやスイカシャーベットなど様々なメニューを楽しみながら考えています。地産地消として関金地域の米粉を使用してシフォンケーキを作りました。同じようにこの米粉を利用したべーグルも自信作です。このべーグルは卵を使わないでつくるアレルギーを持った子どもたちにも優しい商品として開発しました。
また、ベーグルサンドも『JA米夢マイム』の協力で出来上がりました。

学園祭に出店したり、店でクリスマスアカペラライブをしたり、若者の呼び込みにも力を入れています。また、店内に若者の就職支援の為、『くらよし若者広場』も設置し、若者にこの町に来てもらう取り組みのお手伝いもしています。これらの取り組みにより、地元の若者が、同地区
内に以前にもまして増加しています。

このような活動を通じながら、私たちは学生の視点でこの倉吉のまちづくりにこれからも協力していきたいと思っています。

町屋カフェ「和気」のホームページはこちら
 http://cafewaki.net/
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [2] Retro*MIX (レトロミックス) (空き店舗を活用したチャレンジショップ)◆◆◆

【Retro*MIX (レトロミックス) 代表 米澤 淳子】

私が運営しているレトロミックスは、商人を志す人を養成するチャレンジショップ(※)の1軒で、アメリカンアンティーク&昭和レトロホップ雑貨を扱っています。1年間の期限つきで、今ホットな“くらよし”で、地域のみなさんと仲良くまちづくりに参加しながら修行をしています。

当店では、1930年〜60年代頃の古きよき時代、日本で言えば昭和の初めのアメリカで愛されて来たアンティーク・コレクティブ商品を取り扱っています。ファイヤーキングやオールドパイレックスなどミルクガラス食器から、キッチンインテリア雑貨まであたたかみのある商品を取り揃えています。私自らアメリカに買いつけに行き、気に入ったものをセレクトしていますので、ほとんどのものが一点ものとなっています。また、日本の昭和レトロの雑貨も販売中です。『遥かなまち倉吉』をテーマに、まちづくりに取り組んでいるこの街の雰囲気が、これに良く合います。当店では、どこか懐かしいホップデザインが人気です。昭和レトロや古きよき時代のアメリカが良く似合うこのレトロなまちに、是非幅広い年代の方に訪れて頂けたらと思います。

※チャレンジショップ・・・新たに商いを始めてみたいと考えている元気な「商人の卵」を応援し、空き店舗を利用し家賃無料で一定期間貸し出し、開業に向けて実験的な店舗経営に取り組んでもらうもの。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [3] ヨーロッパアンティーク家具「オークランド」 (歴史的な建造物を利用した商業展開)◆◆◆

【店主 本内 宏 (倉吉町並み保存会 理事)】

私は、ヨーロッパアンティーク家具販売が家業です。主にイギリスより、アンティークの家具、インテリア用品を中心に、陶磁器、ガラス工芸品、アクセサリー等の小物も含めて直輸入して販売しており、年に数回、ヨーロッパへ買い付けに出かけています。明治に建築された倉吉の優良伝統的建物を生かしながら、その建物にマッチするイギリスの優良アンティーク家具やインテリア小物類を分かり易く展示して、多くの方に本物の良さに触れて理解を深めて頂きたいと考えています。

また、一方で、町並みを保存するために、倉吉市打吹玉川伝統的建造物群保存地区内の5自治公民館で「倉吉町並み保存会」を設立しました。日常の活動は、防災センター くら用心(町屋)の管理、また月1回の例会において町並みを守り地域を活性化していくための勉強会をおこなっています。

資源が豊富に有った昔、優れた職人達が活躍した時代の、手仕事の魅力と伝統美を後世に伝えていく事も重要なことです。本物は世の東西を問わず、時代を超越してその評価と魅力は益々高まるものです。良いものを末永く愛用していくことが、省資源社会に適応し、環境に優しく、心の豊かさと安寧な生活に寄与する事と確信しています。このように、古くからある地域の資源を活用した倉吉のまちづくりに、家具の販売や家の改修をとおして取り組んでいます。

倉吉の魅力は、静かな町で完成されてはいないことだと感じています。
観光ずれせずに住民に人情が感じられ、家並みが昔のままの姿で残されている所がこの町の良いところです。建物の改修には、その場所の歴史的背景を充分配慮して、出来る限り昔の手法で行う事が大切だと思っています。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [4] 夢街道 八橋往来 (歴史的な街道再生に向けた官民連携した取組)◆◆◆

【(株)赤瓦社長 田村 幹夫 (伊能忠敬の足跡をたどる協議会代表)】

私は、古物商として山陰民具を商う傍ら、白壁土蔵群のシンボルでもある(株)赤瓦の社長としてもまちづくりに携わっています。平成13年度に、本協議会が申請した“八橋往来”が夢街道認定地区に選定されたのを期に、古い物好きの本能が目覚め、倉吉のまちづくり活動に磨きがかかるようになりはじめました。

基本的に倉吉の町中をはしる東西の道筋は、江戸時代と全く変わっていません。その道八橋往来を今から二百年近く前の文化十年冬、日本全国の詳細な地図を作ろうと測量行脚を続けていた伊能忠敬一行が通って行きました。

その時忠敬が本陣として宿したのは、当時倉吉有数の豪商であった山形屋。
今やその屋敷は跡形もありませんが、その道筋には、それ以前のものやそれより少し後の江戸時代の建物がまだ沢山残っています。

それらの建造物をはじめとする「倉吉の貴重な残骸」をこれからの町再生の鍵として利用しない手はない、と手を挙げたのが我々「伊能忠敬の足跡をたどる協議会」で、幸いにしていきなり国交省関連の「夢街道」に認定され、以後様々な地域再生プロジェクトが展開される様になって来ました。

そのまず第一は、それまであまり町おこし町づくりに興味が無かった地域住民をも巻き込んだ「倉吉歩行ネットワークの会」の設立。その会の動きは、国交省や自治体の支援を得ながら、「倉吉町づくり総合支援事業」として結実しました。余所からの来街者や地域の人々が、どこが八橋往来か分かりやすくする為のカラー舗装、辻々に立つ案内板や説明板、自転車で町を巡る人のための駐輪場、ちょっと一休みの道端ベンチ、レトロ街灯・・・。

でもそれらの動きもまだまだ始まったばかりで、町という生き物の何百年単位という寿命を考えれば、さらなる地域住民の巻き込み、そしてそれをどう次の世代につなげて行くかを考えなければならない転機が近い様な気もします。
       
夢街道 八橋往来のホームページはこちら
 http://www.cgr.mlit.go.jp/cgkansen/michimag/yumeyuku/yabase/yabase1.html
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [5] あきない中心倉 (地域の商店主等による自主的まちづくり)◆◆◆

【あきない中心倉 会長 豊田 勲】

伯耆国の「神名備」とも言われる、打吹山、その美しい山懐に抱かれる、こじんまりした倉吉盆地は、人口僅か5万の小さな町です。こんな小さな町にも、市街地の空洞化が起きていました。かつて在った商店会活動も無く、シャッター通りの典型となったのです。昭和35年にこの地域の中心地であった当地区は、中心市街地活性化に基づく法案の条件に満たされながらも、TMOの立上げに至らなかったのです。

あきない中心倉は、そんな中で、自分たちで何とかしなければと、平成14年に倉吉市の中心市街地活性化に向け、成徳地区(旧市街地)の商業者や地域の人たち約20人が発足させたまちづくりの任意団体です。
それから、「自分たちには何が出来るんだ。」そして、「何が在るんだ。」と、まさにお宝探しでした。
月に2回の例会を持ち、活性化のための研究・調査・活動をし、講演会や座談会をしながら、実現可能なものから具体的に行動に移してきました。
(毎週土・日曜日に豊田家住宅にて、「たまゆらの人生、里見安房守忠義」、「淀屋の光と陰」の歴史講談を行っています。)

現在は、福の神委員会、商店開発委員会、商品開発委員会、歴史研究委員会の4つの委員会で、それぞれ活動しています。町の人たちも集まっていただき、古い歴史から学んでいきました。私達が商売をしている場所は、よく整った木造の町並みで、室町からあるこの商家の町並みは、白壁の土蔵を含めて立派な景観です。
「これを活かそう。」
「この歴史ある景観は、観光の面から言えば立派なハードである。」
打吹山は、神様から頂いた物かも知れないが、私達の先達は、玉川を整備してきたり、土蔵を造り、商家の町並みを護ってきました。その心や知恵、技といったものが、色濃くソフトとして含まれているのです。

また、この地域の持ってい歴史的文化資源をソフトとして取り組んだ、「倉吉の歴史を語る講談の会」とのコラボレイションにより、「淀屋清兵衛と牧田家」と「里見八犬伝と里見家」の2つを演題として、歴史を取り入れた「講談」を昨年より開催しています。これは、まちづくり活動を当初から一緒に展開している3人の仏師による作品で、「福の神に会える街」事業とともに、ただ観光面に活用するだけでなく、地域の住民が自分自身の街を見直し再認識するために、そして、積極的に街づくりに関わるようになることを目指すものです。

あきない中心倉のホームページはこちら
 http://www.apionet.or.jp/~akinai/akinai.htm
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [6] 町屋「清水庵」 (地域資源を活かしたまちづくり)◆◆◆

【町屋「清水庵」五代目 清水 栄一】

私は、まちづくり団体である「あきない中心倉」の会員として、月に2回、約20名の商店主が集まり、地域活性化のための研究・調査活動をおこなう場に参加しています。また、町屋「清水庵」の社長として、倉吉の名物となりつつある、「餅しゃぶ」を中心に、地域の食材(資源)を活かした郷土料理の開発もおこなっています。

現在取り組んでいるのは、春から夏にかけて餅しゃぶに使用する餅米を地元で栽培していただいていますが、この時に、除草剤の代わりに用いる合鴨(合鴨農法)を使用した鴨鍋をはじめとした鴨料理、また中国地方ではめずらしい清涼にしかいない魚カジカ(ハゼ科)料理ですが、歯ごたえ味とも最高です。しかし、価格との戦いで、まだお得意さんのみで一般のメニューにはのぼっていないのが現状です。この2つの食材を主に、地元の野菜等で彩りながら、餅しゃぶに続く「くらよし町屋清水庵」の名物として売り出すため、味・価格の開発に余念がありません。これもまちづくりの一環につながると思い、汗をかいています。

このような活動に携わっている私の思いをお話ししたいとおもいます。
グローバルな世界へと世の中が進展しつつある今日、鳥取県内でも格差拡大や地域経済の将来性への不安がつのる中で、景気浮揚の特効薬があるわけでもなく、「地域の活力を取り戻す方策はあるのか。」と問われたら、「遥かなまち倉吉には、素晴らしい時代遺産が眠っている。」と答えられます。数年後には、団塊の世代と言われる一千万人以上の人達がリタイヤ
後の楽しみを探す旅に出ると巷間で噂されています。彼らの旅のナビゲーターとして倉吉も名乗りを上げられるのではないか。古き良き町並みの中で、数百年前の歴史を堀りおこしながら、のんびりとした、懐かしさを思わせる、心地よい豊かな自然の中にある風景は、ここで出会う人を楽しませてくれる。そして「温故知新」から一歩進んで「温故創新」の気概を持って新しい倉吉を創造できたら、町づくりの道が開かれるのではないでしょうか。

町屋 清水庵のホームページはこちら
 http://www.ncn-k.net/seisuian/
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 [7] 倉吉の歩行ネットワーク (アーケードの撤去と新しいまちづくり)◆◆◆

【NPO法人サカズキネット 理事長 里見泰男】
         
「懐かしさを感じる」「時間がゆっくり過ぎる」「生活感がある」倉吉を訪れる人々から、この町の印象を聞くとこんな言葉が返ってきます。
このまちを印象づけている様々な要素があります。江戸、明治、大正の建物(伝統的建造物群)、江戸時代の形成されたヒューマンスケールの骨格道路と路地、昭和30年代に建設のアーケード、などなど。
 
今回、この昭和30年代に建設されたアーケードが老朽化し、耐用年数もきているので取り壊されることになりました。アーケードの撤去が行われようとしている地域は、今後、まちなみ環境整備事業が予定されており、私自身も理事長を務めているサカズキネットの代表として、事前のまちなみ調査にかかわり、また今後も実施に際して審査委員に参加しています。

アーケードは、冬の積雪時、降雨時など人々の生活や買い物客の利便性に寄与してきましたが、その役割を終えることになりました。住民からは賛成、反対、様々な意見がありましたが、よる年波はいかんともならなかったようです。アーケードのまちなみは、店構えや看板などで昭和30年代の雰囲気を持っていたし、また国の登録有形文化財に指定された高田家住宅に代表されるように伝統的建造物群の地域にも匹敵する建物も随所に残されています。
今後詳しい調査が実施され、伝建群の地域拡大に向けての取組も行われることとなっています。

このように、様々な時代背景が混在していることもこの地域の魅力のひとつとなっています。アーケードの撤去と今後のまちなみ、まちづくりの動向は、どの方向へ進んでも、倉吉の人々は、先人たちの残してくれた資産を大切にして進んで行くことを確信しています。
アーケード撤去から、新たな倉吉のまちの進化が始まろうとしているのです。

サカズキネットのホームページはこちら
 http://www.apionet.or.jp/sakazuki/01makino/iinkai/eki/eki.htm
******************************************************************

今回のメールマガジン特集号の作成にあたり、ご協力いただきました
倉吉市長様を始め、関係者の皆さまに対し、厚く御礼を申し上げます。
また、様々なまちづくりの取組の中で、国土交通省事業を有効に活用して
いただいていることにつきましても、重ねて御礼を申し上げます。
今後も、国土交通省は、中国地方の皆さまのまちづくり、住まいづくりの
支援を行ってまいります。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「中国地方まち・すまいづくりメールマガジン」では地方公共団体の皆様
から、他の参考となるような独自の取組事例、随想等の記事を募集して
います。

また送信の解除及び配信先の追加、変更をご希望の方は、編集事務局まで
お知らせください。
当方から直接送信を希望される方は、メールアドレスをご連絡いただけれ
ば、次回からは可能な限りそのように対応します。

記事の掲載希望及び送信先の追加、変更、ご意見・ご要望等については、
ご遠慮なしに次のメールアドレスへお願いします。

<編集担当>
計画・建設産業課
計画調整第一係長 藤井(内線6131)
mailto:kenseibu@cgr.mlit.go.jp
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++