平成11年度
山口県防府市
 防府市では、JR山陽本線の連続立体交差点事業と関連させた土地区画整理事業や街並み・まちづくり総合支援事業を進めており、防府市地域交流センター「アスピラート」もこの事業の一環として建設されたものである。
 この施設は、防府の歴史の中で培われてきた文化や人のつながりをもとに、人の交流の場とすることを目的としている。館内には、新たな文化活動を触発するための市民スペース・文化パビリオン、芸術活動を行うための練習や技術習得のためのリハーサル室・練習スタジオ、その発表の場となる音楽ホール・展示ホールの3つの部分から構成され、これらが還流することによって相乗効果が高まることをめざしている。
 建設の前には、市民アンケートが行われ、施設づくりの参考としたほか、防府市出身の文化人である、種田山頭火と大村能章の部屋を設置する際にも市民の協力を得ている。
 また、市内には周防の国府が置かれた国府跡をはじめ、周防国分寺跡、防府天満宮、東大寺再建の資材を送り出す際に利用された佐波川などがある。この歴史遺産をデザインに活かし、上部の外壁を正倉院の校倉に、平面的には船底を模したものとしたり、防府天満宮の参道を階段部分に、音楽ホールの天井は佐波川に飛ぶホタルをイメージさせている。
 開館後は、市民の芸術文化活動の拠点として活用されており、多彩なイベントも開催されている。
所在地 山口県防府市戎町1丁目
諸元 延床面積:7,963.72m2
関係する施設など 防府天満宮、車塚古墳ほか
イベント コンサート、各種会議・講演会、文化祭、美術・工芸作品の展示会