技術提案の審査・評価の実施に関する事項
(1)技術提案の求め方
発注者は、競争に参加しようとする者に対し、発注する工事の内容に照らし、必要がないと認める場合を除き、技術提案を求めるよう努めるものとする。この場合、求める技術提案は必ずしも高度な技術を要するものではなく、技術的な工夫の余地が小さい一般的な工事においては、技術審査において審査した施工計画の工程管理や施工上配慮すべき事項、品質管理方法等についての工夫を技術提案として扱うものとする。
また、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、例えば、設計・施工一括発注方式(デザインビルド方式)等により、工事目的物自体についての提案を認めるなど提案範囲の拡大に努めるものとする。この場合、事業の目的、工事の特性及び工事目的物の使用形態を踏まえ、安全対策、交通・環境への影響及び工期の縮減といった施工上の提案並びに強度、耐久性、維持管理の容易さ、環境の改善への寄与、景観との調和及びライフサイクルコストといった工事目的物の性能等適切な評価項目を設定するよう努めるものとする。
(2)技術提案の適切な審査・評価
一般的な工事において求める技術提案は、施工計画に関しては、施工手順、工期の設定等の妥当性、地形・地質等の地域特性への配慮を踏まえた提案の適切性等について、品質管理に関しては、工事目的物が完成した後には確認できなくなる部分に係る品質確認頻度や方法等について評価を行うものとする。これらの評価に加えて、競争参加者の同種・類似工事の経験及び工事成績、配置予定技術者の同種・類似工事の経験、防災活動への取組等により蓄積された経験等についても、技術提案とともに評価を行うことも考えられる。
また、これらの評価に加え、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、提案の実現性、安全性等について審査・評価を行うものとする。
技術提案の評価は、事前に提示した評価項目について、事業の目的、工事特性等に基づき、事前に提示した定量的又は定性的な評価基準及び得点配分に従い、評価を行うものとする。
なお、工事目的物の性能等の評価点数について基礎点と評価に応じて与えられる得点(以下「加算点」という。)のバランスが適切に設定されない場合や、価格評価点に対する技術評価点の割合が適切に設定されない場合には、品質が十分に評価されない結果となることに留意するものとする。
各発注者は、説明責任を適切に果たすという観点から、落札者の決定に際しては、その評価の方法や内容を公表しなければならない。その際、発注者は、民間の技術提案自体が提案者の知的財産であることにかんがみ、提案内容に関する事項が他者に知られることのないようにすること、提案者の了承を得ることなく提案の一部のみを採用することのないようにすること等取扱いに留意するものとする。その上で、採用した技術提案や新技術について、評価・検証を行い、公共工事の品質確保の促進に寄与するものと認められる場合には、以後の公共工事の計画、設計、施工及び管理の各段階に反映させ、継続的な公共工事の品質確保に努めるものとする。
発注者は、競争に付された公共工事を技術提案の内容に従って確実に実施することができないと認めるときは、当該技術提案を採用せず、提案した者を落札者としないことができる。
また、技術提案に基づき、価格に加え価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する方式(以下「総合評価方式」という。)で落札者を決定した場合には、落札者決定に反映された技術提案について、発注者と落札者の責任の分担とその内容を契約上明らかにするとともに、その履行を確保するための措置や履行できなかった場合の措置について契約上取り決めておくものとする。
(3)技術提案の改善
発注者は、技術提案の内容の一部を改善することで、より優れた技術提案となる場合や一部の不備を解決できる場合には、技術提案の審査において、提案者に当該技術提案の改善を求め、又は改善を提案する機会を与えることができる。この場合、発注者は、透明性の確保のため、技術提案の改善に係る過程について、その概要を速やかに公表するものとする。
なお、技術提案の改善を求める場合には、同様の技術提案をした者が複数あるにもかかわらず、特定の者だけに改善を求めるなど特定の者のみが有利となることのないようにすることが必要である。
(4)高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格
競争参加者からの積極的な技術提案を引き出すため、新技術及び特殊な施工方法等の高度な技術又は優れた工夫を含む技術提案を求めた場合には、経済性に配慮しつつ、各々の提案とそれに要する費用が適切であるかを審査し、最も優れた提案を採用できるよう予定価格を作成することができる。この場合、当該技術提案の審査に当たり、中立かつ公正な立場から判断できる学識経験者の意見を聴取するものとする。