Q. どうしてダムは必要なの?
A.
日本の川は急勾配で、山に降った雨は一気に下流に流れます。しかも日本の人口の約50%は洪水の危険にさらされるところに住んでいます。さらに日本は水資源に乏しい国土です。ダムは洪水時の水の放流量を調整し、限られた水資源を有効的に利用するという重要な役割をもっているのです。


Q. ダムってどんな種類があるの?
A.
ダムの種類には大きく分けて3つの形があります。それぞれダムを造る場所の地形や地質にあったものを選んでつくります。

重力式

コンクリート自体の重さによって、水がダムを押す力に負けないように造られたダムです。硬い岩盤のとことに造られます。基本的に断面は三角形になっています。


アーチ式
下から上に向かって弓なりになった形をしています。ダムの両端が硬い岩盤でなければ造れません。重力式ダムに比べて使用するコンクリートは3割程度ですみます。


フィルダム
土や岩のかたまりをつみ上げて造ります。表面はコンクリートなどで覆われているなど、いくつかのタイプがあります。地盤があまり硬くないところでも造ることができます。


Q. 地震が起きてもダムは壊れないの?
A.
ダムは巨大な構造物ですが、建設するにあたっては将来起こりうる最大規模の地震を想定して設計されています。また、十分な安全率により設計されており、かつ地質的にも地震に強い地盤上に設置されるため、大地震が起きても大丈夫です。


Q. ダム湖の底には泥や砂がたまっているのではないですか?
A.
ダムは、計画上100年分の土砂が堆積する量「堆砂量」を見込んでいます。この計画堆砂容量に土砂が貯まっても、ダム機能などに問題はありません。また貯水池内の堆砂の状況をモニタリングしながら、必要に応じ、浚渫(しゅんせつ)により土砂を取り除いたりしています。


Q. ダムはなぜ山につくるのですか?
A.
大きく分けて3つの理由があります。
1つめは、山のほうにいくほど岩が表にでてきて、しっかりしたダムの土台となること。
2つめは、山の方がたくさん雨が降るので、ダムに水をためやすいこと。
3つめは、山からでてきたきれいな水を、きれいなままでためられることです。


Q. ダムの管理事務所はどんな仕事をしているの?
A.
ふだんはダムの補修・施設の改良工事 、ダム管理用の電気・機械・通信設備の維持管理をしていますが、大雨によって川が増水した時には、洪水の一部を一時的にダムに貯めて下流地域の安全を守ります。ダム周辺の植物・生物の生育・生息状況の調査 ( 河川水辺の国勢調査 として情報を公開)したり、ダムの水質調査も行っています。その他にも、ダム管理区域内の使用許可や水源地域とのイベントなどの連携、工事等の契約関係も管理事務所の仕事です。  


大雨により、ダムに貯められた水を放流する時には、川の水位が急に上がって危険になることがあります。そんな時には、警報車(パトロールカー)や警報所のサイレンを鳴らして、ダムの下流の皆さんに知らせます。

 1. 流入量の予測 - 雨量計で雨量を知り、ダムに貯まる水の量を計算する。
 2. 放流量の予測 - 下流に流れ出る水の量を計算する。
 3. 機器の点検 - 機器が正常に働くか点検する。
 4. 放流開始の推定 - 放流の予定時刻を計算する。
 5. 関係機関への通知 - 警察・村役場・県企業局などに連絡する。
 6. 放流警報 - サイレンやスピーカー、警報車などで知らせる。



Q. 管理事務所の仕事で一番気をつけていることは?
A.
管理事務所では1年365日休むことなくダムを安全に運用することが重要です。なかでも毎日変化する・雨の降る量・川から入ってくる水の量・ダムに貯まった水の量(水位)は特にチェックしなければなりません。

Q. 時々川沿いでサイレンが鳴るのは何のため?
A.
ダムからの放流により、下流の川の水位が上昇するときに鳴ります。
もしサイレンがなったときに川の近くにいると危険です!
サイレンが鳴ったら川に近寄らないようにしましょう。


Q. 多目的ダムとは何ですか?
A.
多目的ダムとは、1つのダムに洪水調節・発電・上水道・農業用水等いくつもの目的を持たせたダムのことです。多目的ダムを作る理由は一つの目的をもっていくつもダムを建設するよりも、複数の目的でダムを建設した方が、経済的・効率的に優れているからです。

菅沢ダムは洪水調節・工業用水・発電・かんがいを目的とした多目的ダムです。


Q. ニュースなどで聞く貯水率ってどういう意味ですか?
A.
ダムに貯めておくことができる水量に対して、どれだけの水が貯まっているかを表した数字のことです。


みなさまからのご意見、ご質問等をお待ちしています。

国土交通省中国地方整備局 日野川河川事務所 菅沢ダム管理支所
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