広島都市圏みちづくり懇話会
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議事要旨

◆日時:平成18年11月28日(火) 13:00〜15:00

◆場所:八丁堀シャンテ 3F メイプルの間

◆議事次第

1)開会挨拶
2)出席者紹介
3)話題提供〜広島都市圏の観光・交流の事例紹介〜
4)各出席者からの意見
5)フリーディスカッション
6)その他

◆出席者(敬称略・順不同)

広島市長 秋葉忠利
呉市長 小村和年
東広島市長 藏田義雄
廿日市市長 山下三郎
中国地方総合研究センター 理事長 櫟本 功
広島県 土木建築部長 高野匡裕
中国地方整備局長 甲村謙友
※広島商工会議所 宇田会頭は欠席

◆話題提供 〜広島都市圏の観光・交流の事例紹介〜

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◆各出席者からの主な意見

秋葉市長

・地域に住む人の日常が、地域を訪れる人にとっての非日常になる。つまり、市民にとって質のよい生活を送ることが、そのまま来訪者のための魅力につながるような観光施策が必要である。「平和」は広島の知名度の中心であり、「平和」というイメージで多くの人に広島を訪れてもらうような展開をすべきで、こうした取り組みを現在行っている。その他にも、例えば「広島お好み焼き」、「生きた交通博物館(路面電車などの多彩な交通機関)」、「朝市などの市民主導型の取り組み」、「水の都を活かした取り組み」などは、地域の日常が来訪者の非日常になるような要素であると考えられる。

・来訪者の都心での滞在時間を長くする必要がある。そのような意味において、まちでの歩きやすさや憩いの場についていろいろと考える必要がある。例えば、駅近くに建設予定の新野球場は、新幹線からも野球観戦ができるなどの特徴があるため、今までにない新しい広島の魅力として発信していくことができる。

・旅行ガイドブックの世界最大手ロンリープラネット社が出版している「THE CITIES BOOK(都市の本)」という本の中で、世界の最も魅力的な都市200として、日本からは東京・京都・広島の3都市が紹介されている。その中で広島については、文化に加えてエンターテイメントの面においても大変に活気があると紹介されており、行ったら絶対損をしないというお墨付きを頂いている。

・修学旅行の誘致のために、平成17年度で479の学校を訪問している。その際には、広島だけでは物足りないところを補完するためにも、廿日市、宮島、呉、岩国などについても総合的に紹介しながら強力に誘致活動を行っている。

・日常生活と来訪者の観光の典型的な例は、お好み焼きではないかと思う。今、世界で日本のレストランの標準化というのがはじまっているが、広島でもお好み焼きの業界のグループを作るという動きが出てきている。地域の自発的な商業活動や、生活のすぐ近くにあるものが、全国ブランド・世界ブランドとして発展していく、それを行政が裏から支えていくといった形の模範例になると考えている。

小村市長

・技術のすばらしさ、物づくりの大切さをもう一度きちっと残していくことが呉のまちのひとつの使命であると考えている。

・大和ミュージアムは1年間に171万人の来館者があり、予想をはるかに上回る評価を頂いている。これを一時のブームに終わらせないようにするためにも、修学旅行をはじめとして国内外からいろいろな人に来ていただいて見て頂こうと考えている。また、平成19年の春には自衛隊の資料館(てつのくじら館)が大和ミュージアム正面に出来るため、自衛隊とも連携していきたいと考えている。

・大和ミュージアムをはじめ、市内の物づくりの産業を産業観光として一緒に見てもらうために、「呉探訪ループバス」を平成18年9月よりはじめている。

・瀬戸内海クルーズを、今回はじめて民間の商品として呉市と一緒に提供する試みを行っている。定員の5割増しぐらいの申し入れがあるなど非常に人気となっており、これからのクルーズ事業のひとつのモデルとなるのではないかと考えている。

・呉というひとつの点のみで考えるのではなく、広島市、宮島、西条の酒づくりなどと連携した観光に取り組んでいきたいと考えている。そのためにも、都市間はスピーディに移動できる必要がある一方で、まちの中では「歩けるまち」、「歩いて楽しい空間」をつくっていかなければならない。

・また、定住促進も重要な課題であり、団塊の世代に呉に戻っていただけるように働きかけも行っている。

山下市長

・今回の合併では、スキーができて、海水浴もできるし、世界遺産の「宮島」も立地するユニークなまち「廿日市市」が誕生した。

・宮島観光の振興を目的に、「廿日市市観光まちづくり懇話会」の中で今後のアクションプランの提案を行っている。宮島に関連する観光課題としては、「宮島口に十分な駐車場がない」、「宮島口に港湾の指定がされていない」、「宮島口に十分なインフォメーションセンターなどの歓迎施設がない」などの問題がある。

・道路に関する問題としては、廿日市IC〜木材港までのアクセス改善のためにも南道路の早期整備が必要であるとともに、国道2号の鳴川付近の越波による通行規制、広島岩国道路の料金の問題などがあげられる。

・現在、日本三景(宮島、松島、天橋立)の3つの自治体が共同で日本三景の日(7月21日)を決め、日本三景を改めて売り出そうとしている。

藏田市長

・東広島市には、酒まつりのような短期的なイベントはあるものの、目玉となる観光施設がないのが現状である。ただ、本当の観光というのは、名所があるから来て頂けるのではなく、それ以上に、人が来てほっとできて、楽しんで帰れるところ、「また来たいな」というのが観光だと考えている。そのため、市内にある大学の学生を活かしたイベントの開催、体験型の観光施策を考えている。また、歴史のある観光地は多くあるため、歴史探訪をして頂けるようにもしていきたい。

・カキ、びわ、オレンジなどのフルーツを活かしていきたいが、個人的な出荷が多く、まとまった量で出荷することが難しいのが課題である。

・市内には、ゴルフ場が8箇所もあるため、ゴルフ客を呼び込めるようにしていきたい。また、山陽自動車道の志和ICは広島・福山に次いで利用の多いICであるが、渋滞が著しく改善が望まれる。また、利用者の多くがビジネス客であることから、ビジネス客にターゲットをしぼった施策の展開も考えている。

・呉・広島・廿日市との時間短縮による経済圏の拡大も観光施策に大きく関わってくることから、道路整備も重要な視点である。

・市内の交通問題は、1番は駐車場の少なさ、次いで公共交通機関の不便さである。そのため、呉市のように市内循環の観光バスをある程度走らせなければいけないのではないかと考えている。

櫟本理事長

・産業別のGDPの推移をみてみると、製造業は平成3年をピークに減少傾向にある一方で、サービス業が増加傾向にある。その結果、現在は、製造業を抜いてサービス業がGDP最大の産業となっている。

・サービス業の中には、観光のほかにも医者や理美容業などの業種も含まれる。いわゆる「訪ねてよし」の観光の視点の他に、「訪ねなきゃならない」という視点からの整理も必要である。

・そのため、「岡山に行ってもいいな。広島に行ってもいいな。」というような観光と同時に、「広島でなければ充実していない。」という視点での来訪を促すような環境づくりが望ましい。つまり、財布を持った人を中国地方全体から広島に呼び込む必要がある。

高野土木部長

・「ええじゃん広島県」の取り組みを通して、広く県外の方々に広島のよさを知っていただく取り組みを行っている。

・昨年度の広島県の1年間の観光入込み客数は約4,340万人にものぼり、そのうち県内からは約2,000万人、県外からは県内を上回る約2,340万人が来ている。また、マイカー・バス利用者は、約3,000万人弱存在するといわれ、そのような交通手段に対応した施策が必要である。特に、スポット間をスピーディーに移動でき、まちの中はゆっくりと楽しめるような施策が必要であると考えている。また、移動すること自体が楽しくなるような視点も重要であると考えている。

甲村局長

・観光というと、最近のはやりのように思うが、江戸時代から日本は、世界から見ても特異的に旅が多かったといえる。かつ、女性だけで旅ができる国というのは、多分、日本しかなかったと思う。

・お金持ちの方にはお金をたくさん使っていただいて、あまりお金持ちでない方にはそこそこに、ある意味、行けばもうかるような観光地もこれからあってもいいのではないかと思う。

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