(1)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針(2/4)

 河川の維持管理に関しては、災害発生の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持及び河川環境の整備と保全の観点から、 河川の有する多面的機能を十分発揮できるよう適切に行う。また、上流から海岸までの総合的な土砂管理の観点から、 流域における土砂移動に関する調査・研究に取り組むとともに、安定した河道の維持に努める。


ア 災害の発生の防止又は軽減

 災害の発生の防止または軽減に関しては、沿川地域を洪水の被害から防御するため、流出土砂が多い急流河川であることを踏まえ、 砂防事業による土砂流出の調節と併せて、天神川の豊かな自然環境に配慮しながら、堤防の新設、拡築、河道掘削、固定堰の改築により河積を増大させ、 水衝部等には護岸等を整備するとともに漏水対策や堤防強化を図り、計画規模の洪水を安全に流下させる。流下阻害となっている固定堰の改築については、 関係機関と調整、連携を図りながら適切に実施する。特に、急流河川であるため、 洗掘による破堤を防止する対策を実施する。なお、河道掘削による河積の確保にあたっては、河道の安定・維持、 河岸等の良好な河川環境に配慮するとともに、上流からの土砂供給や河道への堆積状況等を監視・把握しながら計画的に実施し、さらに、 総合的な土砂管理計画を立案するため、効率的な維持管理のあり方や健全な流砂系の維持等を目的とした調査・研究に取り組む。
 内水被害の著しい地域においては、関係機関と連携・調整を図りつつ、必要に応じて内水被害の軽減対策を実施する。

 堤防、護岸、排水機場等の河川管理施設の機能を確保するため、平常時及び洪水時における巡視、点検をきめ細かく実施し 河川管理施設及び河道の状態を的確に把握し、維持補修、機能改善等を計画的に行うことにより、常に良好な状態を保持するとともに、 河川空間監視カメラによる監視の実施等の施設管理の高度化、効率化を図る。なお、内水排除のための施設については、 排水先の河川の出水状況等を把握し、適切な運用を行う。
 地震・津波対策を図るため、堤防の耐震対策を講ずる。
河川パトロール状況
河川パトロール状況

河道内の樹木(倉吉市関金町松河原)
河道内の樹木(倉吉市関金町松河原)
 河道内の樹木については、樹木の阻害による洪水位への影響を十分把握し、河川環境の保全に配慮しつつ、洪水の安全な流下を図るために 計画的な伐採等の適正な管理を実施する。あわせて、みお筋外域の陸域化の進行を防ぐため、必要に応じて掘削を行う。

 また、計画規模を上回る洪水及び整備途上段階での施設能力以上の洪水が発生し氾濫した場合においても、被害をできるだけ軽減できるよう 必要に応じた対策を実施するとともに、現存する霞堤については、土地利用状況を踏まえて極力保全する。

 洪水等による被害を極力抑えるため、既往洪水の実績等も踏まえ、洪水予報及び水防警報の充実、水防活動との連携、 河川情報の収集と情報伝達体制及び警戒避難体制の充実、土地利用計画や都市計画との調整等、総合的な被害軽減対策を関係機関や 地域住民等と連携して推進する。さらに、急流河川の特徴を踏まえたハザードマップの作成支援、地域住民も参加した防災訓練等により、災害時のみならず平常時からの防災意識の向上を図る。
 本川及び支川の整備にあたっては、整備の進捗を十分に踏まえつつ、本支川および上下流バランスを考慮し、水系一貫した河川整備を行う。

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