(1)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針(4/4)


ウ 河川環境の整備と保全

 河川環境の整備と保全に関しては、天神川の流れが生み出す豊かな自然と緑が織りなす良好な河川景観、清らかな水の流れの保全を図るとともに、 多様な動植物が生息・生育する天神川の豊かな自然環境を次世代に引き継ぐように努める。このため、河川環境の整備と保全が適切に行われるよう、 空間管理等の目標を定め、地域住民や関係機関と連携しながら地域づくりにも資する川づくりを推進する。

 動植物の生息地・生育地の保全については、コアジサシの産卵場となっている河口砂州の産卵場の確保と治水との調和に努めるとともに、 水鳥の休息場となる水面を保全し、水際と緑の連続性を確保することにより、動植物の生息・生育環境の保全・向上にも努める。
天神川河口
天神川河口
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 河積確保のための河床掘削と植生の伐採により、従来有していた砂礫の河原の回復に努める。また、魚道設備の整備を図り、水生生物の生育環境の改善に努める。

 良好な景観の維持・形成については、小鴨川源流で河川の背景となる大山東壁等との河川景観の調和に努める。

 人と河川の豊かなふれあいの確保については、豊かな自然環境を生かし、自然とのふれあい、水辺の楽校を始めとした環境学習の場等の 整備・保全を図る。また、河川を通じて地域間交流を推進するとともに、沿川自治体が立案する地域計画等との連携・調整を図り、水辺空間や 河川敷利用に関する多様なニーズを踏まえ、地域に親しまれる河川整備と保全に努める。

水生生物による水質調査
水生生物による水質調査
 水質については、河川利用や水利用の状況、多様な動植物の生育・生息環境であることを踏まえ、下水道等の関連事業や関係機関との 連携・調整及び地域住民等との連携を図りながら、現状の良好な水質の保全に努める。


 河川敷地の占用及び許可工作物の設置・管理については、動植物の生息・生育環境の保全、景観の保全に十分に配慮するとともに、 多様な利用が適正に行われるよう、治水・利水・河川環境との調和を図る。
 また、環境や景観に関する情報収集やモニタリングを適切に行い、河川整備や維持管理に適切に反映させる。

 地域の魅力と活力を引き出す積極的な河川管理を推進する。そのため、河川に関する情報を地域住民と幅広く共有し、防災学習、 河川の利用に関する安全教育、環境学習等の充実を図るとともに、住民参加による河川清掃、河川愛護活動を推進する。

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