現在、江の川では、概ね100年に1回程度起こる大雨による洪水を安全に流下させることを目標として治水施設の整備を進めていますが、多くの費用と時間が必要であり、その整備水準は 決して高いとは言えず、完成までに長い年月を要しています。
　そこで、万が一洪水による氾濫が発生した場合でも被害を少なくするため、情報を地域の方々に提供することが重要と考えています。江の川の氾濫シミュレーションでは、市街地へ洪水氾濫が発生する様子を示し、いつ襲って来るとも分からない洪水による浸水被害への認識を深めていただき、自らの生命、財産は、自らの適切な行動で守る心構えをもっていただき、もしもの際にも被害を最小限にとどめるために作成しました。

　なお、このシミュレーションは、市街地を50ｍピッチの格子状に分割して洪水の挙動を計算しているため、微地形を詳細に表現できてないこと。また、破堤箇所を数カ所想定していますが、洪水流の勢いによっては、想定箇所以外のどの箇所でも破堤する恐れがあること。支川の氾濫や内水による浸水、想定を超える降雨を考慮してないことなど、浸水想定区域に指定されていない区域や、想定される浸水深が実際の浸水深と異なる場合があります。