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Q．日本と外国の洪水対策の違いを教えください。洪水の利点とは何ですか？

A．洪水の状況や対策は国によって異なり、一概に言えないところがありますが、一般に外国と比較すると、次のような違いがあります。

• ① 日本の川は急勾配なので、雨が降ってから洪水になるまでが早い
• ② 日本の平均年間雨量は世界平均降水量の約２倍あり、しかも台風、梅雨期に降雨が集中するため洪水になりやすい。
• ③ 日本の洪水が起こり始めてから収まるまでは２、３日程度であるが、諸外国では融雪期には１～２ヶ月続く。
• ④ 日本では下流部の沖積平野に人口や資産が集中しており、丘陵地など氾濫のおそれが少ないところに都市がある外国と比べて、大きな被害を受けやすい。

このようなことから、外国では水位の高い状態が長く続くので、堤防の浸透対策に重点に置かれているのに対し、日本では、洪水の流れの勢いによって堤防が削られる事例が多いので、堤防の浸食対策が中心となります。
「洪水の利点」ということを「人間にとっての利点」と解釈しますが、古くは、洪水の氾濫で堤内地に堆積した肥沃な土砂が、高い農業生産に寄与していていました。その後、農業技術が進歩するとともに、堤内地に集積する人口や資産を守るために堤防を整備するにつれて、洪水の利点は薄くなっていると言えます。
また、多様な生態系の活性化には利点があると思われます。