イモリ
 Cynops pyrrhogaster
分 布
本州、四国、九州に分布する。
分 類 サンショウウオ目 イモリ科
形 態
体長は成体の雄が100〜130 mm、雌が80〜140 mm。幼生は30〜35 mm。
 背面は黒褐色。腹面は赤く、黒色斑紋のある個体が多いが、この斑紋には著しい地域差と個体差が見られる。皮膚には無数の横しわと小さいいぼがある。
 正中線上には1条の皮膚隆起が認められる。雌雄異形で、雄の尾は上下に幅広く、末端は急に尖るが、雌の尾は剣状で長い。
産卵期になると、雄には白色を帯びた青紫色の婚姻色が現れ、肛門の周囲が著しく肥大する。
類似種
シリケンイモリとイボイモリが類似するが、分布域は異なる。
生息場所
平地や山地の水田、ため池などの止水域、流れの緩やかな河川などに生息する。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:4〜7月
産卵場所:卵はゼリー層に包まれ、水田、池などの浅い止水域の水草などに、1個ずつ産み付けられる。
卵:卵の上面は褐色で、直径は2.5〜3.0 mm。
発生:卵は水温約20℃で、17〜27日で孵化する。70〜100日で変態し、変態した個体は、1年以上陸上生活をしたのち水に戻る。
食 性
ボウフラ、ミジンコ、水生昆虫、カエルの幼生などを食べる。
イモリとは「井守」の意味。「井」とは水田の用水のことであり、水田を守る生き物として神格化されて名付けられたらしい。
イモリの黒焼きは異性を強く引きつけるほれ薬として考えられていた。しかし、その薬効は疑わしい。
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