クサガメ
 Chinemys reevesii
分 布
国内では、本州、四国、九州に分布する。国外では、中国東南部、朝鮮半島、台湾に分布する。
分 類 カメ目 イシガメ科
形 態
体長100〜250 mm。
 背甲は暗褐色から黒紫色で、各甲板の周囲が黄緑色に縁取られている。腹甲は黒または黒褐色で、頭部と四肢は暗灰褐色である。頭部側面から頸部にかけて黒く縁取られた黄色の縦筋が多数ある。背甲には3本の隆条(りゅうじょう)があり、背甲の周辺はほぼ滑らかである。頭部の後方は細かい鱗(うろこ)で覆われ、吻端(ふんたん)は尖っている。四肢には水かきがよく発達しており、尾はあまり長くない。
類似種
イシガメは、背甲は黄褐色または茶褐色で隆条は1本のみであることや、背甲の後半部に鋸状(きょじょう)の切れ込みがあることで区別ができる。また、イシガメは日本固有種であり、頸部にはっきりとした模様がない。ミシシッピーアカミミガメは、頭部側面に朱色の縦筋があることや、背甲が緑色または緑褐色であることで区別ができる。
生息場所
平地の河川、ダムや池沼、水田などの陽当たりのよい浅い止水域や緩流域に多く生息する。
生活サイクル
繁 殖
産卵:産卵期は6〜7月、雌は畦や水辺に穴を掘り、3〜14個の楕円形の卵を産卵する。年間に1〜3回産卵する。
発生:卵はその年の10月頃に孵化するものと、翌年の春に孵化するものとがいる。孵化直後の幼体は約30 o。雌は9〜12年で甲長が150〜160 oとなり成熟する。雌は雄よりも大きい。
食 性
クサガメの和名は「臭亀」で、ショックを与えると臭いにおいをだすことに由来する。
早春から晩秋にかけて、岸辺の倒木や石の上でよく日光浴をする。晩秋には水底に移動して、翌春3月頃まで冬眠する。
護岸整備や水質汚濁、水田や池沼などの埋め立てにより、生息場所は狭められている。
クサガメの和名は「臭亀」で、ショックを与えると臭いにおいをだすことに由来する。
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