ヤマカガシ
 Rhabdophis tigrinus
分 布
国内では本州・四国・九州・大隈諸島などに広く分布する。国外では沿海州、中国、台湾、朝鮮半島に分布する。
分 類 トカゲ目 ヘビ科
形 態
体長600〜1,500 mm。
 体色や斑紋には変異が多いが、一般に体背はオリーブ褐色で、体の前半部には不規則な赤い斑点が目立ち、全体に黒褐色とくすんだ緑色の帯状、または斑模様がある。腹面は前部が黄色、後半部では緑褐色、個々の腹板には黒斑がある。頭部はかなり大きく、吻端(ふんたん)は丸い。鼻孔は吻の側面にあり2枚の鼻板の間に開く。眼は大きく、瞳孔は丸い。頸部には頸腺とよばれる毒腺があり、圧迫されると黄色い液を射出する。体鱗(たいりん)は瓦状で、顕著な隆条(りゅじょう)と1対の鱗孔(りんこう)とをそなえている。
類似種
ニホンマムシはトカラ列島以北の日本に生息する毒ヘビで、全長は450〜600 mm。頭部はやや長い三角形で大型の分化した鱗(うろこ)に被われる。尾は短く、一般に褐色または暗褐色で、胴部から尾部にかけて大きな銭型斑紋がある。体色にはヤマカガシ同様、変異がある。
生息場所
日本の水辺では最も普通に見られるヘビの1種で、平地や山麓、水田の周辺に多い。
生活サイクル
繁 殖
繁殖期・産卵期:多くは10〜11月に交尾するが、4〜6月にも行う個体もある。また産卵は6〜8月にかけて行われる。
産卵場所:土中や石の下、落葉や藁の下などに、2〜26個の卵を産む。 卵:卵は長楕円形で、直径23〜37 mm、短形14〜19 mm。
発生:卵は30〜50日で孵化し、約220 mmの幼蛇(子ヘビ)が生まれる。1年で600〜750 mm、2年で750〜850 mm、3年で850〜1,000 mmに成長する。雌の方が大きい。寿命は6〜7年で、シマヘビやアオダイショウと比べ短い。
食 性
肉食性で、カエル類、オタマジャクシを好んで捕食する。また、ドジョウ類など魚類も捕食する。
性質はおとなしく、捕まえようとしなければ、ほとんど攻撃はしないが、深く咬まれると上頸の奥にある牙にそって毒が入り、危険である。また、頸部にある頸腺を強く握ると皮膚が破れて毒が飛び出し、目に入ると失明するおそれもある。
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