ダビドサナエ
 Davidius nanus
分 布
北海道から九州、隠岐、対馬、西表島などの離島にも分布する。
分 類 トンボ目 サナエトンボ科
形 態
成虫:腹長は雄が31〜36 mm、雌が約33 mm。後翅長は雌雄ほとんど変わらず27〜33 mm。雌雄ともに大顎の基部外面と中胸後側板の下片に黄点を持つ。翅胸前部には八の字状の黄紋があり、側面の黒条も発達する。
幼虫:体長17〜20 mm、体色は褐色から黒褐色。触角は4節で第3節は大きく、細長い。腹部に背棘(はいきょく)がなく、側棘(そっきょく)は第7〜9節にある。側棘はやや細めで、先端は後方に向かう。
類似種
近縁種にクロサナエ、モイワサナエがいる。クロサナエは側棘がやや太めで先端がいくぶん開き気味で、下唇は幅がやや狭い。モイワサナエは側棘が小さく、第8・9節の側縁がなだらかである。
生息場所
成虫は山地の渓流周辺に多く生息し、幼虫は河川の中流から上流域にかけての砂泥底に多く潜伏する。
生活サイクル

(近畿地方での周年経過)
繁 殖
交尾・産卵:交尾は河畔の植物に止まって行われ、交尾の終わった雌は岸近くの湿った草やコケ類の上空で静止し、卵を放出する。
食 性
小型の水生昆虫や小動物などを捕食する。

ダビドサナエ(成虫)
水質汚濁にはある程度の耐性を持つが、都市河川のような強腐水性の水域では生息できない。
成熟した雄はなわばりを持つ。
羽化の際は水際の自然な環境が不可欠である。
本ホームページ内に掲載の記事・写真などの無断転載・無断引用・販売等を一切禁じます
Copyright by 太田川河川事務所