オオヤマカワゲラ
 Oyamia gibba
分 布
北海道から九州に広く分布する。
分 類 カワゲラ目 カワゲラ科
形 態
成虫:体長18〜25 o、前翅長23〜33 o。翅(はね)は黒褐色。カワゲラ類の中では大型のグループに属する。成虫の口器は退化し、吸水程度にしか役に立たない。
幼虫:成熟幼虫の体長は30 mm以上。腹部第10節腹面は一様に濃色で、1対の淡色の小紋がある。頭部には完全な横隆起があり、単眼は3個である。尾部には肛門鰓(こうもんさい)がある。
類似種
カワゲラ類には多くの種があり、未記載種も数多く含まれているため同定には注意を要するが、オオヤマカワゲラの幼虫は、体が比較的大型であることや、体色や斑紋に特徴があることから他の幼虫に比べ比較的容易に区別ができる。
生息場所
成虫は、低山地の渓流周辺に多く生息する。幼虫は、河川上流域のやや流れの速い場所に多く生息する。
生活サイクル
幼虫は石の表面に絹糸で膜を作り、その内側で生活する。4〜5月に羽化すると思われるが、詳しい生活サイクルはまだわかっていない。
繁 殖
交尾:カワゲラ類の交尾は雄が雌の背中に乗り、腹部末端を雌の側方から下部の腹部第8節に開口する生殖孔に回して行われる。
食 性
成虫は、口器が退化しているため、吸水はできるが食物の摂取は不可能と考えられる。幼虫は、肉食性で主に他の小型水生昆虫を捕食する。
西郷隆盛のいとこである明治時代の陸軍総司令官・大山厳にちなんで名付けられた。
雄の成虫は、静止時に腹部を上下に連動させ、葉や小枝をたたき「トトト…」と単調な連続音を出す。
カワゲラ類は成虫・幼虫ともに魚類・鳥類・クモ類の餌として重要である。
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