キタガミトビケラ
 Limnocentropus insolitus
分 布
本州、四国に分布する。
分 類 トビケラ目 キタガミトビケラ科
形 態
成虫:体長9〜12 mm、翅開長30〜35 mm。体は黒色、翅(はね)は黒褐色で卵形に近く微毛を有する。触角は太く黒色であるが、先方は褐色となる。
幼虫:体長約15 mm。前胸背面は左右1対のキチン板で広く覆われ、中・後胸背面にそれぞれ左右2対の大きなキチン板がある。腹部第1節背面中央にも、1個の幅広のキチン板がある。各肢は比較的長く、後縁には長く鋭い刺毛がある。
類似種
1科1属1種であるため、国内では形態的に類似した種類はない。
生息場所
成虫は、河川の源流から上流域の林縁部に多く生息する。幼虫は、山地渓流の早瀬の石や岩に付着した長円錐形の筒巣の中に生息する。
生活サイクル
年1化性と考えられ、4〜6月に成虫が出現するが、詳しいことは分かっていない。8月頃に弱齢幼虫が多数見られる。
繁 殖
交尾・産卵:主に生息場所付近で交尾・産卵を行うと思われるが、詳しいことは分かっていない。
幼虫:植物片を規則的に配置した円筒状の筒巣を作り、その前端に長い支持柄をつけ、その末端を石礫などに固定する。
食 性
幼虫は、頭頂部を筒巣から水中に出し、各肢とその刺毛で流下する昆虫などを、ろ過あるいは捕食する。
科名と和名は、アミカの研究者・北上四郎氏にちなんで名付けられた。
ヒマラヤから日本にかけての東アジアだけに生息する世界的にも珍しいトビケラである。
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