カンムリカイツブリ
 Podiceps cristatus
分 布
主に冬鳥として、九州以北の本州に渡来するが、青森県などの本州北部では繁殖も確認されている。
分 類 カイツブリ目 カイツブリ科
生息環境区分 水鳥
渡り区分区分 冬鳥、青森県の一部では夏鳥
漢字名 冠鳰(にお)
形 態
全長約56 cm、翼を広げた大きさ約86 cm。カイツブリ類中最も大型になり、他のカイツブリ類に比べ特に首が長い。
 雌雄同色で成鳥夏羽では黒い冠羽と橙赤色の頬の飾り羽がよく目立つ。冬羽では顔の飾り羽がなくなり、頭頂の冠羽もなくなる。前顎の白と後顎の黒のコントラストが特徴。眼の上は白色で、嘴(くちばし)の根元と眼を結ぶ黒線が目立つ。
 飛翔時は次列風切(じれつかざきり)、小雨覆(しょうあまおおい)、肩羽の白色部がよく目立つ。
 鳴き声:夏期の繁殖期では、「グァー、グァー」と濁った声で鳴いたり、「カァー、カァー」といったカラスのような声で鳴く。冬期にはほとんど鳴くことはない。
類似種
同じ科にカイツブリがいる。カイツブリとは、全長(25〜29 cm)、眼の色が黄色いこと、顔が黒色であることで区別できる。
生息場所
湖沼、河口、海岸に生息する。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:5〜6月。広島県では繁殖は確認されていない。
産卵場所:池、湖などの水面上や水辺植物の中。水辺植物の葉や茎、藻類を水面上に積み上げ浮き巣を作る。繁殖期にはつがいで生活し、一定の水面をなわばりとする。雄と雌が向かい合って胸を合わせる形で水上に直立し、水草をくわえて頭を振るペンギンダンスなどの求愛行動をとることで知られている。
卵・雛:卵数は4個位。卵は白色無斑で表面は粗い。
食 性
魚類を好んで食べるほか、イモリやおたまじゃくしのような両生類、昆虫類も餌とし、水草も食べる。
1972年に青森県で初めて繁殖が確認された。
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