カワウ
 Phalacrocorax carbo
分 布
かつては全国に分布していたが,現在は中部と関東を中心に,本州と九州の十数か所に生息するのみとなった。国外ではヨーロッパ,オセアニア,アフリカの各地と,北アメリカ北東部に分布する。
分 類 ペリカン目 ウ科
生息環境区分 水鳥
渡り区分区分 留鳥、広島県では冬鳥
漢字名 河鵜
形 態
全長約81 cm、翼を広げた大きさ約129 cm。先の曲がった長い嘴(くちばし)と長い首をもつ大型の水鳥で、水かきを使い、尾をかじにして巧みに潜水し、魚を捕らえる。
 雌雄同色で体はほとんど黒く、背、肩羽、雨覆(あまおおい)は光沢のある茶褐色で、冬羽には黒い羽縁がある。嘴の根元は黄色で、その外側の裸出部は白色である。繁殖期には脚のつけ根に大きな白斑が生じる。
 鳴き声:繁殖地では「グルル、グルル」とか、「グワッ、グワッ」といううなり声を挙げることが多い。繁殖期以外はほとんど鳴かない。
類似種
同じ科にウミウがいる。ウミウの夏羽は光線の状況によって,緑色を帯びるが、カワウは紫色の光沢を帯びる点で区別できる。また,カワウが内水面に入ることはほとんどない。
生息場所
内湾や湖沼に生息し、付近の林の樹上にコロニーを作り、集団で生活する。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:11〜6月の長期にわたる。広島県では繁殖は確認されていない。
産卵場所:コロニーである樹上で集団繁殖を行う。枯れ枝を主材として内部に枯草を敷いた巣を作る。
卵・雛:産卵数は3〜6個、抱卵日数は27〜31日である。
食 性
水かきを使い、巧みに潜水して魚などを捕まえ,鵜呑みにして浮上する。水中では魚を飲み込めないので,魚をくわえて水面に出てきたところを他の鳥などに襲われしばしば餌を失う。食物はほとんどが魚類であるが,他に甲殻類などを捕食する。
コロニーに集団で生活しており、コロニーとなる樹木は、そのフンのため枯死することがある。しかし、フンは良い肥料となるため、コロニーの下の地面にわらを敷き、フンの多くかけられたわらを肥料として利用することがある。
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