ヨシガモ
 Anas falcata
分 布
ユーラシア大陸の亜寒帯から寒帯で繁殖し、日本では、本州中部以南に冬鳥として渡来するが、北海道では少数が繁殖する。
分 類 カモ目 カモ科
生息環境区分 水鳥
渡り区分区分 冬鳥、夏鳥(北海道)
漢字名 葭鴨
形 態
全長約48 cm、翼を広げた大きさ75〜88 cm。中型のカモ類。雄の後頭の羽毛は伸びて冠羽になり、ナポレオン帽のような形となり、額から後頭と眼先から頬線にかけては赤褐色で、眼から後頭にかけては緑色光沢。額に白斑がある。喉は白くて、黒い横線がある。体は全体的に灰色。胸は白色の羽縁の鱗模様(うろこもよう)で、脇にいくほど細かい縞模様になる。三列風切(さんれつかざきり)は長くて、鎌のような形に垂れ下がる。
 雌は全体的に褐色で、顔から上顎は灰色を帯びる。
 雌雄とも嘴(くちばし)は黒く、足は灰褐色である。
鳴き声:雄は「ピリー、ピリー」、「ピュルル、ピュルル」と鳴く。また、「ピョー、ピョーイ」と笛のような声でなくこともある。雌は「グヮッ、グヮッ」と低い声で鳴く。
類似種
マガモの雄は大きくて嘴は黄緑色で、胸はぶどう色であることで区別できる。ハシビロガモの雄は胸が白く、脇が栗色であることで区別できる。オカヨシガモの雌は嘴に橙色が混じり、足は橙黄色で飛翔中に次列風切が白く見えることで区別できる。ヒドリガモの雌は褐色味が強く、嘴は鉛色であることで区別できる。
生息場所
越冬地では、広い湖沼や河川に生息する。内湾で見られることもある。昼間は他のカモ類の群れに混ざって安全な水面で過ごす。夕方から行動を始め、夜間から早朝にかけて水田、湿地などで餌をとる。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:6〜7月
産卵場所:水辺の草むらややぶの中の地上に、枯れ草などで皿形の巣を作る。巣の上に自身の羽毛を敷き、産卵する
卵・雛:卵数は6〜9個。大きさは約56×39 mmである。抱卵日数は24〜25日である。雌が単独で抱卵する。孵化した雛は、すぐに歩いたり泳いだりすることができる。
食 性
イネ科植物の実や水草など植物質のものを主に採餌する。
マガモ属では珍しく一夫多妻である。
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