コアジサシ
 Sterna albifrons
分 布
世界中の熱帯から温帯で広く繁殖する種で、日本では本州以南に夏鳥として渡来し、繁殖する。
分 類 チドリ目 カモメ科
生息環境区分 水鳥
渡り区分区分 夏鳥
漢字名 小鰺刺
形 態
全長約28 p、翼を広げた大きさ約53 p。雌雄同色で成鳥夏羽は頭頂から後頭が黒く、過眼線(かがんせん)とつながっている。額から眼の上と喉からくびの側面、胸、体下面にかけては白色。背や翼上面は灰色で、腰から尾は白い。嘴(くちばし)は黄色く先端は黒い。脚は橙色。尾は燕尾(えんび)で、切れ込みは深い。飛翔時は翼下面が一様に白く、外側初列風切(しょれつかざきり)は青みを帯びる。静止時は尾と翼は同じ長さである。
 冬羽は額の白色部が大きく、眼先も嘴の根元あたりは白くなる。嘴は黒色で、脚は黒赤色。
 幼鳥は頭部が冬羽に似るが、やや褐色みを帯び、背や翼には小さい褐色斑があり、うろこ模様をしている。嘴は橙色みを帯びる。飛翔時の上面は初列風切が暗色で、次列風切が白っぽい。尾は白く、先端に褐色斑がある。
鳴き声:「キリッ、キリッ」と鳴く。
類似種
同じ科ではアジサシなどが類似する。アジサシはコアジサシより大きくなり、夏羽では頭上全体が黒く、白色部がないこと、嘴や脚も黒いことで区別できる。
生息場所
大河川の中州や河岸、湖沼の水辺、港、海岸の砂礫地や海岸の貝殻混じりの砂地、埋立地などの地上に生息する。繁殖期が終わって南方に渡去する前になると干潟などに大群が集合する。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:4〜7月 
産卵場所:海岸、河岸、河川の中州、湖沼の水辺などの砂礫地または、貝殻混じりの砂地に集団ないし単独で営巣する。地上にくぼみを作り直接産卵する。巣材は使用しない。
卵・幼鳥:1日1卵ずつ計2〜3個。大きさは約32.5×24.5 mmである。卵の色は地味な青灰白色で紫褐色、暗褐色、暗紫色などの斑点が散在する。抱卵日数は19〜22日である。
食 性
主に魚類を餌としている。
停空飛翔をしてねらいを定め、水面にダイビングして小魚などを捕らえる。
コアジサシは集団防衛の性質が発達でしており、コロニーの上空にカラスやトビが侵入したり、犬や人が地上でコロニー内に侵入すると、親鳥が一斉に飛び上がり、鋭い嫌な泣き声を上げながら侵入者すれすれに飛び交って攻撃し、撃退する。
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