カワセミ
 Alcedo atthis
分 布
ヨーロッパからアジア、ニューギニアにかけての亜寒帯から熱帯の広大な地域に分布する。 日本では全国に分布し繁殖する。冬期北海道、本州北部のものは暖地に移動する。
分 類 ブッポウソウ目 カワセミ科
生息環境区分 水辺の鳥
渡り区分区分 留鳥
漢字名 翡翠、魚狗、川蝉
形 態
全長約17 cm、翼を広げた大きさ約25 cm。カワセミ類の中では一番小さい。雌雄ほぼ同色で成鳥は頭部、頬、雨覆(あまおおい)は黒褐色で、光沢のある淡い青色の斑紋がある。背から上尾筒(げびとう)は光沢のある鮮やかな青色。翼は黒褐色で、外弁が青い。耳羽、胸からの体下面、下雨覆は橙色。喉と耳羽後方は白色。脚は赤色。雄は嘴(くちばし)全体が黒いが、雌は下嘴が赤い。嘴は長く目立つ。幼鳥は背などの上面にやや黒褐色みを帯び、胸はやや黒ずむ。水面近くを低く一直線に飛ぶ。
鳴き声:「ツィー」とか「チリリリー」と鳴く。飛びながら鳴くことが多い。
類似種
色彩と形状、飛び方から、他種と見間違えることはない。
生息場所
平地から低山の河川、湖沼、時には海岸や島しょ部にも生息する。河川ではヤマセミより下流に生息するが、一部重なることがある。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:3〜8月。一年に2回以上繁殖するものもいる。
産卵場所:低山地、平地の河川、湖沼の水辺に近い崖に穴を掘って営巣する。水辺からかなり離れた崖が使われることもある。巣穴は直径7 cm、深さ50〜100 cmで、奥に向かってやや上向きのトンネル状である。巣穴の1番奥には柔らかい土と魚の骨を敷き、その上に卵を産む
卵・幼鳥:卵数は4〜7個。大きさは約22×18 mmである。抱卵日数は19〜21日で、孵化後約23日で巣立ちする。
食 性
餌の種類、採餌行動はヤマセミとよく似ている。ウグイ、フナ、ハゼなどの魚類や、エビ、水生昆虫、カエル、オタマジャクシ、貝なども食べる。水辺の小枝やくいに止まり、獲物を見つけると水中にダイビングして魚を捕らえる。停止飛行(ホバリング)しながら魚を見つけ、一直線に飛び込むこともある。
雛の「ジャジャジャ」と聞かれる声がセミの声に似るので、カワセミという名前がつけられたという。最近では、人家の側にも巣をつくる。
本ホームページ内に掲載の記事・写真などの無断転載・無断引用・販売等を一切禁じます
Copyright by 太田川河川事務所