ブッポウソウ
 Eurystomus orientalis
分 布
アジア東部からオーストラリアに分布し、日本では本州、四国、九州に夏鳥として渡来し、局地的に繁殖する。中国山地では繁殖が確認されている。
分 類 ブッポウソウ目 ブッポウソウ科
生息環境区分 陸鳥
渡り区分区分 夏鳥
漢字名 仏法僧
形 態
全長約30 cm、翼を広げた大きさ約71 p。雌雄同色で成鳥は頭部や顔は黒褐色で、喉は群青色。その他の部分は金属光沢のある青色で、光線の具合で緑色にも見える。風切(かざきり)と尾は黒っぽい。初列風切の根元に水色みのある大きな白斑があり、飛翔時には上下面ともよく目立つ。嘴(くちばし)は赤橙色で、上嘴の先端がわずかに黒い。脚も赤橙色。
鳴き声:繁殖期には巣の付近で「ゲェー、ゲゲゲゲ」と濁った声を出しながら飛び回ることが多い。
類似種
色彩と形状が特徴的であるため、見間違えることはない。
生息場所
平地から低山地の林、集落や農耕地に隣接する林などに生息する。繁殖地は局地的である。スギ、ヒノキなどの針葉樹の大木があるところを好み、社寺の境内で繁殖する例が多い。樹洞やキツツキ類の古巣に営巣するが、建物の隙間や、ダムの排水孔を利用した例もある。本種が比較的多く棲息する中国山地では、木の電柱に穴を掘って営巣することがあり、被害が問題にされたこともあった。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:5〜7月
産卵場所:山間の電柱、天然の樹洞、キツツキ類の古巣などに営巣する。巣穴の底に少量の樹皮を敷くものと、巣材を使用しないものとがある。
卵・雛:卵数は3〜5個。大きさは約34×28.5 mmである。卵は純白無斑で光沢がある。抱卵日数は22〜23日、巣立ちまでの日数は約26日である。
食 性
主に昆虫類を餌としており、大型のコガネムシ類を好んで食べる。見晴らしのよい高い枯枝の先などに止まり、付近を飛行する昆虫類を捕らえては、また元の位置に戻る習性がある。
かつて山地で夜間、「ブッポウソウ」と鳴く鳥としてこの名がついたが、この鳴き声はコノハズクの鳴き声であることが判明している。実際のブッポウソウの鳴き声は「ゲェー、ゲゲゲゲ」といった感じである。
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