ホオジロ
 Emberiza cioides
分 布
国外ではユーラシア大陸の中央部から東部の温帯域で繁殖する。国内では屋久島以北の北海道を除く全国各地で繁殖する。北海道では夏鳥として飛来する。
分 類 スズメ目 ホオジロ科
生息環境区分 陸鳥
渡り区分区分 留鳥、夏鳥(北海道)
漢字名 頬白、黄道眉、畫眉鳥
形 態
全長約17 cm、翼を広げた大きさ約24 p。雄は額から後頸が茶褐色で、細かい黒色の縦斑がある。頭側線や過眼線(かがんせん)から耳羽、顎線は黒色である。眉斑と頬、喉から上胸は白く、頸は灰色である。背、肩羽は茶褐色で、黒色の縦斑がある。翼は黒褐色で、三列風切(さんれつかざきり)外弁と各羽の羽縁、外縁は茶褐色である。腰と上尾筒(じょうびとう)は茶褐色。胸は茶色で、わずかに黒みがある。脇は淡い茶色で、腹から下尾筒は白色である。尾は黒色だが、中央尾羽は茶褐色で、外側尾羽の2枚に大きな白斑がある。雌は雄に比べ淡色で、頭部や顔の黒色部は褐色である。
鳴き声:繁殖期には木の梢や枝先にとまり「チョッピィーチチロ、ピピロピィー」などと澄んだ声で囀る。地鳴きは「チチッ」や「ツツッ」など2音ずつ続けて鳴くことが多い。
類似種
カシラダカは喉からの体下面が白く、胸には赤茶色と黒色の縦斑があることや頬や頭部が黒色であることなどで区別ができる。ホオアカは、頬が赤褐色であることや、頭上が灰色で胸に黒色と褐色の帯があることなどで区別ができる。
生息場所
平地から山地の低木のある河原や明るい森林の縁、ススキ草原などに多く生息する。樹林の奥深くや、広大な草原に生息することはない。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:4〜7月
産卵場所:生息場所に生える低木の枝上または地上に、イネ科植物の茎や細根などで椀形の巣を作り産卵する。巣作りは雌だけで行う。
卵・雛:卵数は3〜5個。大きさは約21×16 mmである。抱卵日数は約11日である。雌が単独で抱卵する。巣立ちまでの日数は約11日である。雛は巣立ち後も親鳥から給餌を受けるが、巣立ち後10日位から自力で採餌活動を行うようになり、20日以上経つと独立して親のなわばりを去る。
食 性
成鳥は非繁殖期には地表に落ちているイネ科植物などの小さな実や種子を採餌し、繁殖期には動物食となり昆虫などを捕食する。雛に運ばれる餌のほとんども昆虫類である。
繁殖期に囀る声は「一筆啓上、仕り候」や「源平つつじ、茶つつじ」とまねられ親しまれている。
イタチやネコ、ヘビなどによって捕食される場合がある。
繁殖期はつがいでなわばりを作るが、秋冬には小さな群れで過ごすことが多い。
抱卵時、雄は雌に給餌しないため、雌は約1時間抱卵しては30分あまり巣を離れ、採餌活動を行ったり糞をしたりする。しかし、卵が孵化すると雄も給餌に参加するようになる。
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