シマドジョウ
 Cobitis biwae
分 布
日本固有種。山口県西部を除く本州と、四国のほぼ全体に分布する。九州地方には分布しない。
分 類 コイ目 ドジョウ科 シマドジョウ亜科
地方名 カワドジョウ、ササドジョウ(全国)、スナクリドジョウ、スナドジョウ、ドジロ(広島県)
形 態
全長は雄が約6 cm、雌が約14 cm。体色は淡褐色で、体側中央線上に8〜14個の黒色斑が並び、これをつらぬいて、細く青い縦帯がある(斑紋は地理的変異が大きい)。3対の口ひげをもつ。眼の下には眼下棘(がんかきょく)とよばれる棘状の骨がある。
 雌は雄よりも大型になる。胸びれ、腹びれは雄の方が大きく、胸びれは先端が尖る。
類似種
太田川では、同じ科のドジョウ、イシドジョウなどが生息している。ひげの数、縞模様の有無などで区別できる。
生息場所
河川では中流域から下流域の、平瀬から淵にかけての砂底ないし砂礫底に生息している。砂によく潜り、冬季は砂中で越冬する。なお、同じ水域にスジシマドジョウと共存する場合、シマドジョウはやや流速のある砂礫底に生息し、スジシマドジョウは流れの緩やかな砂泥底部に生息する。
 太田川では中流域に適したシマドジョウは最も多く見られるドジョウの仲間。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:4月下旬〜6月下旬
産卵場所:小川や細流などに集団でのぼり、砂礫底に生える水生植物の根や茎に、1個ずつばらばらに産着させる。
産卵行動:雄が雌に巻きついて産卵すると推定される。
卵・仔魚:卵は球形で膨張後の直径は約2.1 mmである。受精後2〜3日で孵化する。
食 性
仔稚魚は原生動物や底生藻類、またはその半分解物などを食べる。
 成魚になると、底生藻類やその分解物、小型水生昆虫などを泥土とともに吸い込んで食べる。泥上や岩盤の付着藻類を食べることもあるが、動物食が中心である。
食用にはあまり利用されない。美しいため、鑑賞用としてアメリカなどに輸出されている。
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