ウキゴリ
 Chaenogobius urotaenia
分 布
北海道、本州、九州の河川や湖沼に分布する。国外では、サハリン、朝鮮半島に分布する。
分 類 スズキ目 ハゼ科
地方名 ゴタッペ(北海道)、エビグズ(山陰地方)、イサザゴリ(広島)
形 態
全長約13 cm。体色は淡黄色ないし淡黄褐色である。体側中央に7〜9個の短い横斑、背部に5〜6個の鞍状斑、第1背びれ後方に1個の大黒色斑がある。
 産卵期には、雌雄ともに、鰓膜(さいまく)、腹びれ、尻びれが著しく黒ずむ。また、雌の腹側部は黄色を呈する。
類似種
同じ属にスミウキゴリいる。ウキゴリの第1背びれ後方には1個の大黒色斑があることで、スミウキゴリと区別できる。
生息場所
河川の中流域下部から下流域の流れの緩やかな淵やよどみ、湖沼などに生息する。物陰や、岸辺の草の中にひそんでいるか、中層に浮かんでいる。
 太田川では高瀬堰下流に生息するが、生息数は少ない。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:1〜5月
産卵場所:普段生息している水域において産卵を行う。
産卵行動:雄は石などの下に産卵室をつくり、雌は石の裏面に卵を産みつけ、受精が行われる。雄は卵が孵化するまで卵を保護する。
卵・仔魚:卵は長ナス形で長径約3 mm、短径約1 mm。受精後約10日で孵化する。仔魚は孵化とともに海あるいは湖に流下する。全長約4 cmで河川を遡上し始める。湖沼に生息する個体は、河川に遡上しないものもいる。
食 性
動物食性で、河川では水生昆虫や他魚類の稚仔魚などを食べ、湖沼では、エビ類やハゼ類の幼魚などを食べる。
ウキゴリとは「浮くゴリ」という意味で、他のハゼ科魚類とは違い、中層を浮遊することが多いためこの名前がついたと考えられる。
稚魚は佃煮の材料となる。
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