マハゼ
 Acanthogobius flavimanus
分 布
北海道から種子島までに分布する。 国外では朝鮮、中国北部、ウラジオストック付近に分布する。
分 類 スズキ目 ハゼ科
地方名 ハゼ(日本各地)、デキハゼ(関東地方)
形 態
全長13〜25 cm。体は淡黄褐色あるいは淡灰褐色で、体側中央に5個ほどの不規則で不明瞭な暗褐色斑が縦に並ぶ。背びれと尾びれに明瞭な点列があるが、尾びれの下部1/3は無斑となる。唇が厚く、眼の下に斜めの黒い線があるのが特徴。
類似種
同属の魚類にアシシロハゼなどがいる。アシシロハゼに比べて頭部が大きく、第1背びれの後端に明瞭な黒色斑があることで区別できる。
生息場所
河川の汽水域や流入河川をもつ内湾に生息し、砂泥または泥底に多い。夏には多数の未成魚が河口の干潟や河川下流域にも侵入する。晩秋から冬には沿岸の深みへ移動する。
 太田川では大芝水門より下流の感潮域に生息する。
生活サイクル
繁 殖
産卵期:2〜4月
産卵場所:水深2〜7 mの泥底または砂泥底。
産卵行動:内湾や汽水域の泥底や砂泥底に雄がY字型の孔道を掘り、下部の壁面に卵を一層に産み付ける。
卵・仔魚:卵はこん棒状の付着卵で、長径5.0〜5.8 mm、短径0.96 mmである。水温13℃で約28日後に孵化する。仔魚の全長は4.6〜5 mm。
食 性
仔魚は泥場や藻場で浮遊生活を送り、浮遊動物を主食とする。
 成魚は底生動物や小魚を主に食べる。主にゴカイ類を餌としている。水草や大型藻類も食べる。大型個体は小魚を食べることが多い。
ハゼ釣りのハゼが本種。9月の彼岸頃から始まるハゼ釣りは初秋の風物誌。秋から冬にかけてはよく太る。天ぷらにして食べると大変美味である。
2つの群が比較的明確に区別できる。1つの群は8月に約4.5 cmに成長し、翌年には約11.5 cmになって成熟し、産卵後大部分が死亡する。一方翌年3月に8 cm程度のものは9月に13 cm程に成長し、翌年成熟して死亡する。
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