ヌートリア
 Myocastor coypus
分 布
岐阜、愛知、三重、京都、兵庫、岡山、島根、鳥取、広島などの各府県において生息が確認されている。アルゼンチン、チリなどの南アメリカが原産の帰化動物である。
分 類 ネズミ目 ヌートリア科
形 態
体長:頭胴長約60 cm、尾長約38 cm、体重約7,000 g。
 ドブネズミを大きくしたような形をしている。
 切歯は橙赤色で、口の周りに白い毛が目立つ。後ろ足は前足より長く、水かきがあり、泳ぐのが得意である。
 尾は円筒状で長く、泳ぐときの舵の役目をする。
類似種
本種は南アメリカ原産の大型ネズミ類であり、日本産のほ乳類には類似したネズミ類が生息していないため、見間違えることはない。
生活行動
年周行動:普段4〜5頭程度の群れで生活することが多い。年2〜3回繁殖を行う。 行動・習性:主に夜行性で、昼間は河川の土手などに掘った巣穴に潜むが、時折日向ぼっこをしているのを見かけることがある。夜間、餌を求めて行動する。
 雌成体は定住性であり、雄成体と比較して小さい行動圏を持つ。雄成体は移動性が強い。
生息場所
流れの緩やかな河川や湖沼の水辺の草むらに巣穴を掘って生息している。
 泳ぎが得意で、水面を泳ぐ姿がよく確認される。
繁 殖
繁殖期:年に2〜3回出産する。妊娠期間は約130日で、平均5頭の仔を出産する。仔は生後6〜7ヵ月で成熟する。
繁殖場所:巣穴で行われる。
食 性
草食性で、水辺の植物の葉や茎などを食べる。
1940年頃、毛皮のために日本各地で養殖が行われていた。しかし、戦後は各地で野生化した。国内には水辺に生息する草食性動物がいないため、競合することなく帰化できたと考えられる。
田畑を荒らす害獣として駆除の対象になることがある。
ヌートリア(nutria)という名は、毛皮商がこの下毛につけた通称名である。
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