カワラハンノキ
 Alnus serrulatoides
分 布
本州(東海・近畿・中国)・四国・九州(宮崎県)に分布する。日本固有種。
分 類 被子植物 双子葉植物 離弁花類 カバノキ科
生活形 落葉低木
生 態
河川の中流から上流にかけて、岩の多い場所で、少し増水するとつかるような環境に群生する。カワラハンノキという名称であるが、河原には少なく、大きな岩のゴロゴロした地形か、岩場に生育する。しばしば、キシツツジやネコヤナギといっしょに群生する。
形 態
幹の直径は約5 cmで、高さは1〜3 m、枝は斜めに立ち上がる。葉は互生し、広い倒卵形、すなわち卵を逆にした形で、上の方が幅が広く、長さは5〜10 cm、幅は3〜7 cm、先端は円く、少し凹むものもある。葉脈の側脈は平行し、葉縁に達し、葉裏面に突出する。
 花は早春、2〜3月、葉が出る前に咲き、雌雄同株。雄花は穂になって垂れ下がり、雌花はその下の葉の付け根に1〜5個つくが目立たない。果実は卵形で、長さ1.5〜2 cm、鱗片(りんぺん)の集合で松笠のように見える。
類似種
ハンノキは湿原に生育し、河川にはほとんど分布しない。ハンノキの幹は直立し、高さ5〜10 m、葉は長い楕円形で、先端は尖り、側脈は葉縁に沿って曲がる。
生育場所(太田川での分布)
可部より上流に多く、三篠川にもある。可部より下流では、かつて古川にもあったが、開発のために消滅した。
生活サイクル
マダラハマキホソガ、オナガミズアオの食草となる。
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