ツゲ
 Buxus microphylla var. japonica
分 布
本州(関東地方より西)・四国・九州に分布する。日本固有種。
分 類 被子植物 双子葉植物 離弁花類 ツゲ科
生活形 常緑低木   レッドデータブック       広島市指定:準絶滅危惧
生 態
河岸の岩場に生育し、増水すると水につかるゾーンの少し上に生育し、山地の斜面にまでいたる。
形 態
太田川では高さ1 m未満の小低木であるが、小瀬川では約3 mのものもある。小枝は毛がなくて、4稜がある。樹皮は白っぽい。葉は楕円形で、長さ1〜2 cm、 幅7〜10 mm、革質で光沢があり、先端はかすかに凹み、葉縁は裏面にやや巻き込む。側脈は平行して斜めに並んでいる。
 花は4月、雌雄同株だが雄花と雌花は別で、1個の雌花を中心に数個の雄花が取り囲む。花びらは4枚、緑色で目立たず、長さ約2.5 mm。果実は長さ約1 cm、先端に3個の花柱が残る。果実は裂開して、種子を出す。種子は長い楕円形で、黒く光沢があり、長さ約6 mm。
類似種
河岸岩上に生育するツゲは、葉が小さくコツゲという変種にされることもある。「広島県植物誌」(1997)ではツゲの種の概念を広くとって、コツゲを区別していない。帝釈峡の石灰岩地帯に分布するものは変種チョウセンヒメツゲとされているが、その特徴である毛がほとんどなく、検討を要する。滝山峡からチョウセンヒメツゲが報告されたことがあるが、それはツゲである。
生活サイクル
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