セイタカアワダチソウ
 Solidago altissima
分 布
北アメリカ原産の帰化植物で、牧野富太郎博士によれば明治時代に入って来たというが、急に多くなったのは戦後である。秋遅くまで花があるので、ミツバチの蜜原植物として、養蜂業者が広めたという説もある。 北海道・本州・四国・九州・琉球列島に広く帰化している。
分 類 被子植物 双子葉植物 合弁花類 キク科
生活形 多年草
生 態
河川で人為的にかく乱された環境に群生する。元来、オギの群生する細かい砂の堆積した、やや湿った立地は本種によって侵入を受けている。広島県では、まだ、関東や関西の大都会周辺のような大群落は見られない。本種は他種の芽生えを抑制する化学物質を出すが(これをアレロパシーという)、群生地の中心部では自家中毒を起し、枯死していく。
形 態
地下茎を長く引いて群生し、茎は高さ1〜2.5 m、花がつく部分以外では枝を分けない。葉は互生、密に接して、長さ10〜20 cm、メスの刃のような形で、先端は尖り、基部はくさび形、葉質は厚く、短い毛があってざらつく。
 花は10〜11月、高さ10〜50 cmの大きな穂を形成する。頭花(キク科で複数の花が集まったもの)の周辺にある舌状花は雌花で、花びらはあざやかな黄色、中心部にある筒状花は両性花。そう果(種子と一体になったキク科の果実)は長さ約1 mmで、細かい毛があり、冠毛(タンポポの毛)によって風で散布される。
類似種
オオアワダチソウはほとんど無毛で、花期が早く、7〜8月、広島県では少ない。トキワアワダチソウは海水に対する抵抗性があり、汽水域の石垣間に生育する。広島市佐伯区五日市で見つかっているので、太田川河口部にありそうである。
生育場所(太田川での分布)
全域に分布するが、上流域には少ない。これは本種が温暖な地域を好むためであろう。
生活サイクル
よく揃って伸びた茎を刈り取り、壁や天井に葺くなど、インテリアの材料としてヨシズのように利用される。
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