オオオナモミ
 Xanthium occidentale
分 布
北アメリカ原産の帰化植物。日本へは1929年に岡山県で記録されたのが最初である。今では、全国に広く分布している。
分 類 被子植物 双子葉植物 合弁花類 キク科
生活形 1年草
生 態
河原、海辺、造成地など、土壌がかく乱されて不安定な所に多い。果実が水に浮くので、川岸などで線状にいっせいに生え、とくにダム湖では群生が著しい。
形 態
茎は高さ20 cm〜1 m以上にもなる。葉は互生し、大きな三角形で、質は厚く、縁にふぞろいなきざみがあって、一見、ヒマワリの葉に似ている。
 花は夏から初秋につき、雄花からなる雄性の頭花(キク科で複数の花が集まったもの)は茎の先端に集まり、雌性の頭花は葉の付け根につくが、小さくて目立たない。キク科の果実であるそう果は、2個が、葉の変形した総苞(そうほう)の一部に包まれて、長さ2 cmくらいの楕円体になり、表面には鋭いかぎ状のとげが一面にある。この特殊な構造物は、果包とか「いが」とかよばれているが、単に果実ということも多い。このとげが衣服や動物の毛について、分布が広がる。子どものころに、この「いが」を投げ合ったり、衣服につけて遊んだ記憶をもつ人は多いだろう。
類似種
オナモミはアジア大陸の原産で、日本へは奈良時代に渡来したといわれている。近年、オオオナモミに押されているため、広島県内ではオナモミはきわめて希である。オオオナモミの果実(正確には果包)は数が多く、相接してつき、果実の表面に毛がなくて光沢があり、とげは長くて数が多い。果実の先端に2本ある長いとげは、オナモミでは短いが、オオオナモミでは長くて、V字形に開き、先端に曲がったかぎがある。
生育場所(太田川での分布)
広く分布しているが、中流域に多く自生し、上流やデルタには少ない。
生活サイクル

オオオナモミ
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