チガヤ
 Imperata cylindrica var. koenigii
分 布
国内では、北海道・本州・四国・九州・琉球列島、国外では、アジア大陸中部以西、アフリカ、オーストラリアに分布し、北アメリカに帰化している。
分 類 被子植物 単子葉植物 イネ科
生活形 多年草
生 態
河川の堤防や河川敷など安定した草地の主体をなす。河原や岩上などには生育しない。
形 態
地下茎を引いて群生し、稈(かん:イネ科やカヤツリグサ科の茎)は高さ30〜80 cm、強くて、無毛、節にだけ毛がある。葉身は長さ20〜50 cm、幅7〜12 mm、両端が細くなり、基部はしばしば柄のようになる。
 穂は円柱状で、長さ10〜20 cm、銀白色の長い毛に覆われる。この毛は小穂の基部の毛で、小穂は2個の小花からなり、雄しべは2本、雌しべは長い2本の花柱をもち、先端の柱頭は紫黒色。銀白色の毛の間から、雌しべの柱頭と雄しべが突き出して目立つ。
類似種
ススキの幼少な株の葉はチガヤの葉に似ているが、チガヤは地下茎を引いて群生し、葉の色が紅紫色を帯びることが多い。
生育場所(太田川での分布)
全域に分布するが、とくに中流域の安定した草地に多い。
生活サイクル
根は「茅根(ほうこん)」とよばれ、漢方薬(利尿薬)として利用される。
チガヤの穂を若い時に引き抜いて、子どもが食べる。チガヤには方言が きわめて多く、広島県ではズボ、ズボナ、ズンバイ、コッタイグサな どと呼ばれている。
東南アジアの熱帯雨林を伐採すると、なかなか森林が再生せず、やがて チガヤの草原にになってしまう。インドネシアでは、チガヤをアラン・ アランといい、 嫌われているという。
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