ススキ
 Miscanthus sinensis
分 布
国内では、北海道・本州・四国・九州・琉球列島、国外では、朝鮮半島・中国大陸・千島列島南部に分布し、さらに北アメリカに帰化している。
分 類 被子植物 単子葉植物 イネ科
生活形 多年草
生 態
河川のみならずいたる所に生育する。日当たりのよい乾燥した所を好むので、森林中の暗い所にはなく、また湿潤な所にも生えない。
形 態
大形のイネ科で、稈(かん:イネ科やカヤツリグサ科の茎をいう)は高さ1〜2 m、地下茎を引かず、株立ちとなる。葉は長さ50〜80 cm、幅1〜2 cm、堅く、葉の縁でしばしば手を切る。これは堅い珪素の化合物による。
 花期は8〜10月、穂は長さ15〜30 cmで、総(ふさ)は7〜10数個つき、斜めに垂れさがり、多数の小穂をつける。小穂は2個の小花からなり、芒(のぎ:葉の変形したものの先端が長く伸びたもの)があり、基部には白い長い毛が集まってつく。毛の色はオギのように銀白色ではない。
類似種
同じ属のオギがよく似ているが、その区別点はオギのところを参照されたい。
 トキワススキは南方系の種で、県内には沿岸部や島嶼部に分布し、太田川の河口部にはありそうであるが、まだ見つかっていない。トキワススキは大形で、葉の幅が広く1.5〜3 cm、常緑で冬も緑、花期が早く、7月に開花する。穂の軸は長く、総は短くて垂れ下がらない。
生育場所(太田川での分布)
全域に分布。デルタ部の市街地でも石垣の間などに多いが、海水に対する抵抗性がないので、海水の侵入する所にはない。
生活サイクル
花穂を「おばな(尾花)」といい、秋の七草の一つに数えられる。
かやぶき屋根の材料として利用される。また、茎葉は家畜の飼料として利用される。
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