サワヒメスゲ
 Carex mira
分 布
本州(近畿・中国に希)に分布する。 日本固有種。
分 類 被子植物 単子葉植物 カヤツリグサ科
生活形 多年草   レッドデータブック       広島県指定:準絶滅危惧(NT)
生 態
河岸で増水したら水につかるような岩上、あるいは河原の石の間に生育する。水位の高さから見ると、キシツツジやユキヤナギと同じゾーンに生育する。
形 態
葉は群がってつき、根茎は引かず、株立ちとなる。葉は長さ10〜25 cm、幅約2 mmで、やや堅い感じがする。
 花は4月中旬〜下旬、稈(かん:イネ科やカヤツリグサ科の茎)は直立して、高さ15〜40 cm。小穂は2〜4個、接してつき、頂端のものは雄花の集まりで、長さ15〜20 mm、幅2〜4 mm、下のものは雌花の集まりで、長さ5〜10 mm、幅約6 mm。雌花の鱗片(りんぺん)は、楕円形で、長さ2.5〜3 mm、黒赤褐色で光沢がある。果胞(スゲ属に特有のもので果実を葉の変形した苞(ほう)が袋状に包んだもの)は紡錘形で、長さ3〜3.5 mm、まばらに毛がある。
類似種
ヒメスゲは地下にはう枝があり、果胞の毛が短い。
生育場所(太田川での分布)
関ほか(1983)によって滝山峡からヒメスゲとして報告されたものは、サワヒメスゲであった。平成14年度の「河川水辺の国勢調査」によって、滝山川と広島市安佐北区安佐町毛木付近で確認された。本種は全国的にも希な種で、中国地方では広島県でしか見つかっていない。県内では太田川のほかに、昨年、芦田川でも確認された。
生活サイクル

サワヒメスゲ
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