シオクグ
 Carex scabrifolia
分 布
国内では、北海道・本州・四国・九州・琉球列島、国外では、朝鮮半島・台湾・中国大陸北部・シベリア(ウスリー地方)に分布する。
分 類 被子植物 単子葉植物 カヤツリグサ科
生活形 多年草   レッドデータブック       広島県指定:準絶滅危惧(NT)
生 態
河口部で海水が侵入する汽水域の泥土上に群生する。塩生植物の1種。
形 態
地下にはう枝があって群生する。葉は長さ30〜50 cm、幅1.5〜2.5 mm、やや堅く、ざらつく。稈(かん:イネ科やカヤツリグサ科の茎)は直立して、高さ30〜60 cm、断面は三角形でざらつく。
 小穂は3〜4個、上方の2〜3個は雄花の集まりで、下方の1〜2個は雌花の集まりである。雌花の鱗片(りんぺん)は卵形を帯びた三角形で、長さ約5 mm、先端は鋭く尖り、褐色で、背中側は緑色で3本の脈がある。果胞は長い楕円形で、長さ7〜8 mm、平滑で多数の脈があり、コルク質で覆われ、海水に浮きやすくなっている。
類似種
コウボウシバがよく似ているが、砂浜に生育し、高さが10〜20 cmで低く、葉にやや光沢がある。太田川の河口部にはコウボウシバは分布していない。
生活サイクル

シオクグの地下茎
カニ類の生息地となる。
夏秋に葉を刈り、くぐ縄という細い縄を作る。
「クグ」は古来からの名称で、意味は不明である。
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