テナガエビ
 Macrobrachium nipponense
分 布
国内では、北海道、沖縄諸島以外の日本各地に広く分布する。国外では、中国大陸北部、朝鮮半島、台湾に分布する。
分 類 エビ目 テナガエビ科
形 態
体長約90 o。額角は上縁に10〜17歯、下縁に3〜5歯を持つ。雄の第2胸脚は著しく長く(体長の約1.8倍)、先端は鋏状(はさみじょう)をなす。雌の第2胸脚は雄ほど長くない。
類似種
淡水産の近縁種としてヒラテナガエビ、ミナミテナガエビ、コンジンテナガエビなどがある。ヒラテナガエビは第2胸脚が他の種に比べて太く、掌部が背腹方向にやや平たく、流れのある瀬を好む。ミナミテナガエビは第2胸脚が体長の2倍以上で、長節、掌部ともにとげのような毛で覆われる。分布はテナガエビより南方に偏る。コンジンテナガエビは第2胸脚の各節に毛を持たず、沖縄および八重山諸島にのみ分布する。
生息場所
比較的低地の河川、湖沼に生息し、特に河口や汽水域に多く生息する。
生活サイクル
繁 殖
産卵:産卵期は5〜9月。雌は一生(約1.5年)に2〜4回産卵する。受精卵は孵化時まで雌の腹部に抱えられる。
産卵場所:主に生息地で産卵する。
発生:産卵後約2〜3週間で、ゾエア幼生に達して孵化する。孵化したゾエア幼生は河口または海まで流下し、変態した後、底生生活に移り、河川を遡上する。内陸湖沼産のものは一生を淡水中で過ごす。
食 性
肉食性に近い雑食性で、小動物やその死骸などを捕食する。
河川では流れの緩やかな砂泥底を好み、昼間は石の下やその間隙、ヨシ帯に潜み、夜間に出てきて索餌する。
中国地方では中海で多く漁獲され、主要な水産物になっている。
食材としても味がよく、てんぷらや焼き物に珍重される。
近年、全国的に資源量は減少傾向にある。
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