ギンイチモンジセセリ
 Leptalina unicolor
分 布
国内では、北海道、本州、四国、九州に分布するが、いずれの産地も局地的な傾向がある。国外では、西シベリア、中国大陸北部、朝鮮半島などに分布する。
分 類 チョウ目 セセリチョウ科
形 態
成虫:前翅長約15 o。翅表は黒褐色、春型では後翅裏面の中央に銀白色の帯があるが、夏型では鈍い黄色の帯となり目立たなくなる。一般的に雌は雄より大型で、地色は淡く、前翅頂がよくとがる。
幼虫:終齢幼虫は全長25〜30 o。地色は白みがかった緑色で、背に細い暗緑色の線がある。
類似種
後翅裏面に特異な銀白色の帯を持つため、見分けを誤るような類似種はいない。
生息場所
ススキなどのイネ科の植物が生えている山地の草原、丘陵地、河原などの陽当たりのよい場所に多く生息する。
生活サイクル

(関東地方の低地での周年経過)
繁 殖
交尾:晴天の午前中に雄は雌の近くでフラッシング(翅(はね)をふるわせる)し、未交尾の雌はこれに反応し交尾行動に移る。
産卵:雌は食餌植物の葉表に翅を閉じて止まり、まんじゅう型の卵を1個ずつ産付する。
幼虫:越冬態は亜終齢幼虫で、食餌植物を筒状にまいた巣の中に入って冬をすごす。春には摂食せず、2回脱皮し蛹となる。
出現期:本州の山地では、6月中旬〜7月中旬に年1回発生する。関東地方以西の平地や低山地では、4月下旬〜5月中旬、7月中旬〜8月上旬に年2回発生する。
食 性
成虫は主にヒメジョオン、シロツメクサ、マルバウツギなどの白色の花を好んで吸蜜し、水たまりや汚物に集まることもある。幼虫はススキ、チガヤ、エノコログサ、ヨシなどのイネ科の植物を好んで採食する。
陽当たりのよい草むらの間を弱々しく飛び、翅を閉じて止まることが多い。
成虫はアシナガバチ類、クモ類などに捕食される。
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