コミスジ
 Neptis sappho
分 布
国内では、北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島、対馬、種子島など日本全国に広く分布する国外では、ヨーロッパ南東部、中央アジアからヒマラヤ、中国大陸、朝鮮半島、台湾などに広く分布する。
分 類 チョウ目 タテハチョウ科
形 態
成虫:前翅長23〜31 o。翅(はね)の表面は茶褐色で白帯や白紋があり、裏面は暗いチョコレート色である。前翅の基部から中室にかけての白帯は中室端で2つに分かれる。春型は夏型に比べやや小型で、白帯が幅広い。
幼虫:終齢幼虫は全長約24 o。中・後胸部と腹部に対になった突起を持つ。
類似種
リュウキュウミスジは、翅の裏面が赤橙色または橙色であることや裏面の白紋周辺が黒色で縁取られていることで区別できる。また、その他のミスジ類とは斑紋を比較することで容易に区別できる。
生息場所
山地や丘陵地の陽当たりのよい樹木の林間や林縁に多く生息する。
生活サイクル

(関東での周年経過)
繁 殖
産卵:雌は触角で葉に触れながら後退し、葉表の先端に卵を1個産付する。
幼虫・蛹:孵化した幼虫は、葉の中脈を残して先端部を両側から溝状に摂食し、葉片を下垂させてすだれ状の隠れ家を作る。終齢幼虫は落ち葉の中で越冬し、翌春には摂食することなく蛹化する。蛹は、葉の裏面から尾端の鉤状(かぎじょう)突起物から出た糸でぶら下がる垂蛹である。
出現期:北海道では年2回、本州では2〜3回、九州では3〜4回発生する。
食 性
成虫は主にシシウド、ネギ、カノコソウ、オトコエシ、クリ、アカメガシワなどの花で吸蜜する。路上で吸水したり、果実、樹液、獣糞などに集まったりすることもある。幼虫はクズ、ナンテンハギ、ヤブマメ、キハギなどマメ科植物のほかハルニレ、エノキ、ケヤキなどのニレ科植物も採食する。
○飛び方に特徴があり、ダンスでも踊っているかのように軽快に飛ぶ。
雄は林縁部などになわばりを作る。
本ホームページ内に掲載の記事・写真などの無断転載・無断引用・販売等を一切禁じます
Copyright by 太田川河川事務所