「水をおさめる者は国をおさめる」とはどういうこと?



 中国古代、春秋時代(紀元前770年〜前476年)を構成(こうせい)する五覇(ごは)の一つである、斉国(せいこく)宰相(さいしょう)(日本でいう総理大臣(そうりだいじん))の管中(かんちゅう)は、(せい)覇者(はしゃ)である桓公(かんこう)とともに、国を治める方策(ほうさく)論議(ろんぎ)していたとき、「()く国を治める者は、必ずまず水を治める」と熱弁(ねつべん)し、水を治めるということは、国を治める上で根本的な国家の大計であると強調しています。
 つまり、水害や(かん)ばつによる被害(ひがい)は、経済発展(けいざいはってん)社会秩序(しゃかいちつじょ)の安定にとって重要な影響(えいきょう)(およ)ぼす自然災害(しぜんさいがい)である、これらを克服(こくふく)してはじめて、農業収益(のうぎょうしゅうえき)確保(かくほ)、国民生活の安定、天下太平、国家繁栄(こっかはんえい)をもたらすことができるというものです。