太田川水運のせいりつ



 平地が少なく、陸上交通が発達しにくい状況(じょうきょう)にあった太田川流域(おおたがわりゅういき)では、大量輸送機関(たいりょうゆそうきかん)として太田川を利用した舟運(しゅううん)が発達しました。舟運(しゅううん)がいつごろから開始されたかはあきらかではありませんが、12世紀中頃(なかごろ)、当時の広島湾頭(ひろしまわんとう)にあたる祇園町下安(ぎおんちょうもとやす)や長束付近に、内陸の荘園(しょうえん)倉敷地(くらしきち)設置(せっち)された記録があります。年貢(ねんぐ)は、まず陸路輸送(りくろゆそう)され、太田川中流域(ちゅうりゅういき)(ふね)に積まれ、河口(かこう)倉敷地(くらしきち)へ運ばれたものと考えられます。