太田川の上流には
どんな生きものがいるのかな?

上流のいきもの

 川の底にある石をそっと持ち上げてみましょう。石のうらにたくさんの生きものがついているのが観察できます。このように、水の底で生活している生きものをまとめて、底生動物(ていせいどうぶつ)とよんでいます。トンボのヤゴやタニシなども底生動物のなかまです。
 底生動物は水のよごれぐあいによって住んでいる種類がちがうので、水のよごれぐあいを知るためによい目印になります。

きれいな水に住む生きもの

カワゲラのなかまの幼虫
サワガニ
 
ヘビトンボの幼虫 
少しきたない水に住む生きもの

カワニナ
ヒラタドロムシ
きたない水に住む生きもの

ミズムシ
シマイシビル
大変きたない水に住む生きもの

サカマキガイ
ユスリカのなかまの幼虫
 底生動物のうち、トビケラやトンボの幼虫など水の中に住む昆虫を、水生昆虫(すいせいこんちゅう)といいます。水生昆虫の多くは幼虫の段階であり、親になるとたいてい陸上で生活します。
カワゲラのなかまの成虫
ヘビトンボの成虫
 
ユスリカのなかまの成虫 
上流域のカエルたち
カジカガエル  初夏の夜の河原に出てみましょう。フィフィフィという虫のような声がたくさん聞こえてきます。この声はオスがメスを呼んでいる声で、昔から「かじかの声」として親しまれてきました。声はとても美しいのですが、体は石の色に似た目立たないカエルです。たまごを産む時期は4月から8月で、カエルのなかまではめずらしく川の流れの石の下にたまごを産みます。
タゴガエル  「田子」という人の名前がついたカエルです。5月頃に山の渓流ぞいを歩いていると、「グッ、グッ」という声が聞こえますが、これはタゴガエルのオスがメスをよんでいる声です。しかし石の下や地面の巣あなの中で鳴いているため、声はすれども姿は見えません。メスはこの巣あなで大型のたまごを産みます。たまごからかえったオタマジャクシは、なにも食べなくても子ガエルになれる、という変わった特ちょうがあります。
上流域の魚たち
アマゴ  
一生を川で暮らすものと、一度海へ降り、再び川にそ上する種類がいます。全長25cm位まで成長します。
 体側には7〜11個の青色のパ−マ−クが並びます。ヤマメと異なり朱点があるのが特徴です。

サツキマス  
秋(10月中旬〜11月下旬)に、渓流で産卵する。ふ化した稚魚は春になると泳ぎだし、盛んにエサを摂って成長する。

上流域で見られる鳥
ヤマセミ
日本のカワセミ類のなかでいちばん大きいカワセミで、黒と白の鹿のこはんがあり、頭の冠羽が特徴なんだ。魚が大好きで、ヤマメ、イワナ、ハヤなど清流の魚を食べている。
大変貴重な生きものたち
モリアオガエル
木の上にいて、たまごも木の上で産みます。はり出した枝の上に、たくさんの親ガエルが集まってあわ状のかたまりを産みます。この中にはたまごが入っていて、ふ化したオタマジャクシはしたの池に落ちてそこで生活します。三段峡の川のわきの水たまりなどで観察できます。
オオサンショウオ
大きいもので1メートルを超えるものもいるんだ。記録で岡山で飼育されていた1.6メートル、45.5kg(99年9月死亡)が過去最大。
 主に山地の河川上流域に生息し、終生を水中で過ごす。隠れ場所は川岸にできた横穴や大岩のすき間などで、暗くなってからエサ場へと移動します。
強い夜行性をもち、日が暮れてから活動が活発になるが、まれに日中でも見られます。夜になるとエサを求めて巣穴から出て、川の中を徘徊(はいかい)します。
ゴギ
全長15〜20cm、中には30cmを超える大きいものもいる。口は大きくて歯があり背面は褐色を帯びた緑青色で、腹面は淡黄赤色を帯びた白色。体側から背面にかけて白い小斑点があり、頭頂部にまで及ぶ。西中国山地の生息域では標高およそ500m〜900mの高いところにいる。夏でも18℃以下の冷水域に生息している。



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