太田川水系河川整備基本方針の概要
 平成9年に河川法が改正され、豊かでうるおいのある質の高い国民生活や良好な環境を求める国民のニーズに的確に応えるため、制度を見直し、それまでの工事実施基本計画に代え、新たに、河川整備の基本となるべき方針に関する事項『河川整備基本方針』と具体的な河川整備に関する事項『河川整備計画』に区分されました。
 河川整備基本方針は、各水系における治水、利水、環境等に関する河川管理の長期的な方針を、総合的に定めるものであり、河川整備の基本となるべき事項等を定めます。
 今までの太田川は、「治水(洪水対策)」、「利水(水の利用)」の2本柱を目的として、昭和49年(昭和63年改訂)に定められた「太田川水系工事実施基本計画」に基づき整備していました。今回策定された「太田川水系河川整備基本方針」では、平成9年の河川法改正により、新たに「河川環境(自然への配慮)」を加えております。
 主な内容として、平成17年9月の既往最大の出水を踏まえ、治水計画を見直し、太田川の基本高水のピーク流量は、既定の工事実施基本計画と同様に基準地点玖村(くむら)において12,000m3/sと定めていますが、下流部の河道において最大限流下させうる流量を検討するとともに、上流部における洪水調節施設の計画を見直し、河道流量を7,500m3/sから8,000m3/s、洪水調節施設を4,500m3/sから4,000m3/sとしました。
 流水の正常な機能を維持するために必要な流量は、既定の工事実施基本計画は基準地点玖村(くむら)において21m3/sと定めていますが、流水の適正な管理、円滑な水利用、河川環境の保全等を整理・検討し、基準地点を矢口第1に変更し、15m3/sとしました。
 河川環境においては、動植物の把握及び保全、河川及び空間利用、維持管理等において整理・検討を行い、新たに定めました。