太田川 小瀬川
[河川情報]
小瀬川水系 小瀬川

 小瀬川は流域面積342km2、幹線流路延長59kmの中規模河川で、その水源を広島県佐伯郡佐伯町飯山に発し、いくつかの小支川を合わせつつ、中国高原面の盆谷状の浅い河谷を連ねて南流します。中流部では広島、山口両県の県境を南下、ここで支川玖島川を合流し、蛇喰岩、弥栄峡の名勝を形成、蛇行しながら弥栄において東方に流向を転じて瀬戸内海に注いでいます。また流域内の行政区分は広島県は大竹市、佐伯郡佐伯町、大野町、山口県は岩国市、玖珂郡和木町、美和町の2市2郡にまたがっています。
 流域の地質の概要は、弥栄付近より下流は古生代後期の粘板岩が主体で、これより上流では主に花崗岩類によって構成され、閃緑岩石、安山岩類なども分布しています。また、流域の上・中流部は台地を形成し、流域の90%は山地であり、その約2/3は針葉樹林でほかは広葉樹林です。
 小瀬川流域の産業は、上中流部で第一次産業の農林業が営まれ、下流部の大竹、和木岩国周辺は戦前より化学、製紙などの第二次産業が盛んでしたが、近年のめざましい産業の発展につれて、重化学工業地帯へと発展しています。
 利水については、農業用水として約650haの農耕地に灌漑しているほか、河口部で都市用水に利用されています。さらに、水力発電として流域内の5発電所、流域外の1発電所で総最大出力24,315kwを発電しています。
 また、小瀬川のかけがえのない河川環境の保全と利用について指針を示し、適正な管理に資するため、「小瀬川水系河川環境管理基本計画(河川空間管理計画)」を策定しています。

両国橋付近(小瀬川5K、下流南側より望む)
小瀬川河口部
(広島県と山口県の県境になっている)
自生のヤナギに配慮した
環境護岸(防鹿箇所)
水辺に近付けるように工夫した
木工沈床の根固め(木野箇所)

【小瀬川シンボルマーク】

小瀬川シンボルマーク[解説] 小瀬川は、上流においては西中国山地の雄大な山々に源を発し、中流域においては県立自然公園に指定され、三つの特徴ある峰を持つ三倉岳が位置しています。全体の形はこれら の山をイメージしています。
 川の表現においては、上流部は、蛇行しながら流れる豊かな流れを表しています。
 川によって絵を二つに分割し、芸防両国の国境として長い歴史と豊かな文化を育んできた『国分けの川』を象徴しています。
 配色の緑は、自然の豊かさを表しています。
 川の流れ方、山の峰の表し方を工夫することによって、平坦なマークの中に奥行き感を表しています。
 全体の形、川の形や流れ、配色を出来るだけシンプルにして抽象化し、小瀬川をシンボライズしました。

太田川 小瀬川