水質用語の解説 
1.mg/L(ミリグラムパーリットル)
   汚濁物質の濃度、含有量を示す単位で1mg/Lとは水1リットル当たりに物質を1mg含む場合をいい、百万分の1を示す。
2.pH(水素イオン濃度指数)【pH】hydrogen exjponent
 (定義等) ピーエイチまたはペーハーと呼ぶ。溶液中の水素イオン濃度〔H〕を示す尺度で、通常水素指数pHで表わされpH=−log〔H〕と定義されている。pHのpはexponentを意味している。
 (影 響) 強酸、強アルカリでは魚類、植物、動物に良くない。
 (原 因) 洗濯工場の排水はアルカリ性を示す。工場排水で強酸、塩酸等が有れば酸性を示す。酢等も酸性を示す。
3.DO(溶存酸素)【DO】dissolved oxygen 単位:mg/L
 (定義等) 水中に溶解している酸素ガスをいう。空気中の酸素ガスによって供給され、溶解量は温度や圧力に左右されるが、清浄な水には7(30℃)〜14(0℃)mg/L程度溶解している。公共水域の汚濁限界は5mg/Lとされている。
 (影 響) 水中のDOが欠乏すると、魚類等水中生物は窒息死する。また、水中の汚濁物質は還元性となり、腐敗臭、硫化水素ガスを発生。
 (原 因) 水中の有機物の分解や硫化物、亜硫酸イオン、第一鉄イオンなどの還元性物質によって消費されるほか、微生物の呼吸作用により消費される。
4.BOD(生物化学的酸素要求量)【BOD】biochemical oxygen demand
 単位:mg/L
 (定義等) 検水を好気的(溶存酸素の存在する)状態におき、一定条件のもとで、検水中の微生物の増殖あるいは呼吸作用により、消費される酸素量のことである。汚濁度の指標としては20℃で5日間に消費する酸素量を標準としている。
 海水中のBOD測定は、海水中の生物あるいは高濃度塩類などの関係で困難であるため、ほとんど実用されていない。
 (影 響) BOD値が高ければ、その水中には腐敗性物質が多いことを意味し、溶存酸素を異常に消費して、魚介類に影響を及ぼすなど、危害の原因となる。
 (原 因) 社会活動が活発になるに比例して、公共水域の汚濁が増大すると同時に酸素の欠乏現象を招く。
5.SS(懸濁物質または浮遊物質)【SS】suspended solid 単位:mg/L
 (定義等) 水中に分散している固形物で検水をろ過した時に分離される物質で粒径2mm 以下のものをいう。1リットル中に1mgこの物質が含まれる水は1mg/Lである。
 (影 響) 水質汚染の原因となる。また河川に汚泥床を形成したり、懸濁物質が有機物である場合には腐敗して水中の溶存酸素を消費する。魚類のえらに付着してへい死させ、光の透過を妨害し植物の光合成に障害を与える。魚の産卵場、ノリの養殖場等への沈着などがある。
 (原 因) 工場排水、家庭排水などが河川に流出することにによってSSが高くなる。降雨、洪水等の土等にもよる。
6.大腸菌群数【CG】coliform group bacteria 単位:MPN/100mL
 (定義等) 人及び動物の腸内に寄生する細菌(coli型)及び主として水、土壌など広く自然界に分布する細菌(Aerobacter aerogenes型及び中間型)の3型を大腸菌群と総称する。これら3型細菌群をひっくるめてcoli型とみなして検査し、水、食品の安全度の指標とする。大腸菌群はグラム染色陰性の桿菌で胞子を形成せず、乳糖を分解して酸とガスを発生する好気性・通気嫌気性菌で病原性は低い。
 (影 響) 漁獲物に病原菌が付着する事により衛生上の問題があり、下水の影響を受けやすいカキ、アカガイなどの貝類はしばしば問題となる。また水源水の汚染による赤痢等の集団発生の可能性を多くし、遊泳場を汚染して遊泳を不可能にする。
 (原 因) 普通人畜の腸管内に生息しているものであるので、これが水中に存在することは多くの場合、その水が人畜のし尿などによって汚染されていることを意味する。
7.総窒素(全窒素ともいう)【T−N】total nitrogen 単位:mg/L
 (定義等) 窒素を含む化合物の総称。
 工場排水および天然水中に存在する窒素化合物の形態を大別すると、無機態窒素と有機態窒素の二つに大別される。
  ○無機態窒素……アンモニウム態窒素(NH−N)、亜硝酸態窒素(NO−N)、硝酸態窒素(NO−N)
  ○有機態窒素……人間などの生活廃棄物などに含まれるアミノ態、蛋白態などの含窒素有機化合物、その他工場排水中に含まれる含窒素有機化合物など。
   とくに有機態窒素は水中で硝化生物による作用を受け、
NH →NO →NO3に分解酸化される。硝酸イオンは安定で、植物の肥料として摂取され、この植物を動物が食料に今日したのち、再び排せつ物として有機態窒素が水中に排出され、この生物作用は循環する。
   (水中における窒素の形態)
 
   粒子性有機態窒素(PO-N)  
 有機態窒素(O-N) ケルダール窒素(K-N)
  溶解性有機態窒素(PO-N) 
総窒素(T-N)   溶解性総窒素(DT-N)
  アンモニウム態窒素(NH-N) 
 無機態窒素(I-N)亜硝酸態窒素(NO-N)  
   硝酸態窒素(NO-N)  
 (影 響) 農作物に対して大きな影響力をもつ。植物はアンモニウム態窒素又は硝酸態窒素の形で窒素を吸収してその生育に利用する。しかし、窒素過多になるとかえって悪影響を与える。
 (原 因) 動物の排出物や腐敗物の土壌、下水への混入、製薬、染料、繊維、食品、石油化学、肥料工場などの工場排水放出による。
8.総リン(全リンともいう)【T−P】total phosphorus 単位:mg/L
 (定義等) 天然に燐灰石などのような燐酸塩として算出する。複雑な有機化合物として生物体の重要な部分をなす。排水中のリン化合物は有機態リン、無機態リンの二つの形態に大別することができる。
   工場排水及び天然水中のリン化合物の挙動は極めて複雑で水中の微生物活動及び化学的作用を受けて、リン化合物の形態は変化しやすい。最終的には酸化及び加水分解を受けてオルトリン酸塩になり、溶存状態または懸濁状態で存在する。
   (水中におけるリンの形態)
 
   粒子性有機態リン(PO-P)   
 有機態リン(O-P)   
  溶解性有機態リン(DO-P)   
総リン(T-P)   粒子性 
  オルトリン酸態リン(PO-P)  
 無機態リン(I-P) 溶解性 
    粒子性 
   重合リン酸態リン  
     溶解性 
 (影 響) 各種排水が公共水域に排出されれば、天然水中のリン化合物の含有量が増加し、富栄養化を促進する一因になる。
 (原 因) 農薬製造、薬品工業、肥料工業、繊維工業、石油化学工業(とくに冷却排水)、火力発電所の排水、さらに家庭生活排水(合成洗剤中に含まれている)、農業排水などにも含まれている。
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