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「第35回中国地方ダム等管理フォローアップ委員会」において、 「弥栄ダム定期報告書」の審議を行った。 |
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審議は、 「防災操作、利水補給、 堆砂、 水質、生物、水源地域動態」の6項目について、令和元年度から令和5年度までの期間を主な対象として行った。
各項目に関する審議結果は以下の通りである。 |
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- 1.「防災操作」
- 評価期間である令和元年度から令和5年度の間にダム洪水量(300m3/s)を超えるような洪水が7回発生したが、必要なダム操作により所期の機能を発揮している。 今後、気候変動の影響により水害の激甚化・頻発化が懸念される。引き続き適切な防災操作を行うと共に、ダム が持つ治水上の効果を最大限発揮できるよう貯水容量の有効活用に取り組まれたい。
- あわせて、下流河川の河道整備状況を踏まえた適切なダムの操作方法についても検討されたい。
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- 2.「利水補給」
- 所期の機能を発揮し、受益地に貢献している。今後も貯留水を適切に管理・運用し、受益地への利水補給を行われたい。
- 3.「堆砂」
- 貯水池内の堆砂量は堆砂容量の21%程度を占めているが管理上の問題は生じていない。適切な方法により測量等を継続して実施し、堆砂の局所性に留意しながら全体の堆砂状況を把握されたい。
- 4.「水質」
- 利水上の問題は生じてはいないが、淡水赤潮の発生といった富栄養化現象が発生している。このため、ダムの管理・運用に必要な水質や底質の調査や富栄養現象発生時の調査を継続されたい。 また、現在実施している水質保全対策設備の運用については、その運用状況を踏まえながら、利水および環境の観点からより効果的・効率的な各設備の運用について検討されたい。
- 5.「生物」
- 生物の生息・生育状況に大きな変化は確認されていないが、今後も調査を継続し生物の生息・生育状況と周辺環境の把握に努められたい。 環境保全対策の内、ダムの管理・運用と関連の深い特定外来生物については、河川水辺の国勢調査等を活用し影響等の確認と必要な対策を講じられたい。 また、士砂還元については、ダム下流河川の土砂動態特性の把握や目標設定を行った上で再開し、その効果を把握されたい。
- 6.「水源地域動態」
- 弥栄ダムが果たす治水や利水の役割について、 その貢献状況が地域や受益地に広く理解されるように継続的かつ効果的なPR活動やサポー トに取り組まれたい。 また、ダムを活用した地域活性化活動への効果的な貢献を果たすために、河川空間のオープン化・河川協力団体制度等の既存制度の活用や新たな地域連携スキーム構築の実現について取り組まれたい。
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弥栄ダム定期報告書概要版 |