ホーム>「多様な主体による協働」活動取材報告>NPO法人吉備野工房ちみち(岡山県総社市)を取材しました
 

 平成24年度の国土交通省「新しい公共」モデル事業に「菜園彩彩プロジェクト〜農業から地域が変わるまち 総社〜」を提案、採択されたNPO法人吉備野工房ちみちの皆様は、古の時代から連綿と続く歴史と豊かな自然を持つ、総社市及びその周辺の「吉備野」において、活躍されている地域づくり活動団体です。
  今まで受け継がれてきた地域資源を「吉備野ブランド」として確立し、人と人との繋がり、人の心を大切に、また吉備野の文化や歴史を現代に伝承し、そこから新たなものを創造していくこと。さらに、それを通じてまちづくりの推進と文化の振興に寄与することを目的として活動されているとのことです。
(以上、同NPO法人HPより)
  このたび、同NPO法人理事長の加藤せい子様を始めとする皆様を訪問し、数々のまちづくり活動について、お話を伺いましたので、ご紹介します。

まちづくりの、4つの「ない」を解消する中間支援活動

 まちづくりには、4つの「ない」があると思います。

  • @女性(くらし)の視点がない
  • Aまちに点在する素晴らしい資源をつなぐ仕組みがない
  • B行政と市民の間に対等な関係がない
  • Cすべての人に出番と居場所がない

 こうした4つの「ない」を解消していく中間支援組織が必要と思い、2008年にNPO法人を立ち上げました。
 また、まちづくりの基本は「おせっかい」だと思っています。おせっかいと思われても、ソムリエのように、人やサービスをつなげるプランナーでありたいものです。

「みちくさ小道」プロジェクト

 古代吉備文化発祥の地である総社市には、3000以上もの古墳があり、その記録は文献として残っておらず、目を向ける人が少ないため、せっかく貴重な地域資源がありながら、単なる通過地点となってしまっています。
  そのため、「みちくさ小道」プロジェクトでは、 様々な地域資源を発掘し、いろいろなプログラムを通じて人財(人材)を見つけ、ともに育っていくことを目指しました。「みちくさ小道」の活動成果をまとめた冊子では、プログラムではなく、人財ごとにインデックスを付けています。
  「みちくさ小道」をはじめ、詳しくはNPO法人吉備野工房ちみちホームページhttp://www.chimichi.org/をご覧ください。

330人の人財

 「みちくさ小道」では、プログラムに参加した人がその道の達人となり、プログラムの講師にまでなることが強みです。今までに、330人が参加しましたが、それぞれが5人ずつにでも影響を与えれば、1500人が動くわけです。実際に、「みちくさ小道」をきっかけに、子育て支援や中山間地域経営、商品開発等、小さいながらもビジネスが始まり、それら一つ一つが「新しい公共」として活動しています。

「タンポポ」型の事業展開

 タンポポは、地に根ざして花を咲かせ、実った種を風に乗せて他の土地へと運びます。そんなタンポポのように、地域に暮らして、地域の資源を見つけて、地域で子育てをしながら活動していきたい。そして、タンポポの花の形のように、中心に地域の課題を置いて、住民、NPO、企業、行政やいろいろな人々が花びらのように課題を囲んで解決に取り組む、タンポポ型の事業展開を目指しています。

平成24年度「新しい公共」モデル事業「菜園彩彩プロジェクト〜農業から地域が変わるまち総社〜」について

 地域の農産品を加工した商品として、「白菜ディップ」「ニンジンショコラ」等を作成し、試食会も開きました。大量生産の商品として都市部に流通させるのではなく、「この季節に、総社に行かなければ食べられない」という、地域と季節をブランド化したストーリーでの販売を目指しています。
 食の安全・安心に根ざした、総社に食べに来てもらえる商品を開発し、農業の後継者不足解消、地域の魅力づくりにつなげていきたいと考えています。
※モデル事業の成果報告については成果報告会取材ページhttp://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/community/atarashiikoukyou_moderu.htmlをご覧ください。

取材風景 中央の赤ちゃんを抱いているのが加藤さん
(平成25年2月21日 中国地方整備局取材)

 

 

 

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国土交通省中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課